中国、リトアニアに経済圧力 台湾「代表処」問題で

「駐リトアニア台湾代表処」のプレートの前でポーズを取る職員ら=2021年11月18日(台湾外交部提供・共同)
「駐リトアニア台湾代表処」のプレートの前でポーズを取る職員ら=2021年11月18日(台湾外交部提供・共同)

中国が、リトアニアへの経済的な圧力を強めている。台湾への接近を進め、昨年11月に首都ビリニュスに「駐リトアニア台湾代表処」(大使館に相当)の開設を認めたためだ。リトアニアからの輸出品が中国の税関を通らなくなったなどと伝えられており、巨大な経済力をバックに台湾との離間を図る狙いとみられる。

欧州メディアの昨年12月24日の報道によると、欧州連合(EU)欧州委員会で通商を担当するドムブロフスキス執行副委員長は「リトアニア製が含まれていると、EU諸国からの品物は中国の税関で処理されないようだ」と発言。中国の港で足止めを食っているリトアニアやEUからの輸出品が増えていると懸念を示した。

中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は同日の記者会見で「事実ではない」と反論。同時に「リトアニアは両国の外交関係の政治基礎を深刻に破壊した」と主張し、「中国の企業の多くは既に、リトアニアを信頼に値する協力パートナーとしていないそうだ」と付言した。

中国は、台湾が欧州に置く代表機関として初めて、名称に「台北」ではなく「台湾」と明記した代表処がリトアニアに開設されたことに猛反発。外交関係の格下げに動いた。

香港メディアの「香港01」は今月5日、中国が「外交等級の引き下げだけでなく、リトアニアとの貿易を実質的に止めた」と指摘。中国企業がリトアニア産品の使用を停止しているなどと伝えた。

影響はリトアニア以外の企業にも広がっている。ロイター通信は12月、独自動車部品大手コンチネンタルが、リトアニア製の部品使用を中止するよう中国から求められていると報じた。また、中国が多国籍企業にリトアニアとの関係を打ち切るよう求めているとも報じている。

一方、欧州メディアによると、リトアニアのナウセーダ大統領は今月4日、台湾の代表処について「名称が、中国との関係に強く影響する主要な要因になっている」と述べた。「台湾」を冠した名称が誤りだったと表明した形だ。

中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は5日の記者会見で「過ちに気付いたのは正しい一歩だが、さらに重要なのは行動をとることだ」と主張。代表処の設置を撤回するよう求めた。(北京 三塚聖平)