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九州・山口財界新トップ〝花のニッパチトリオ〟鼎談

鼎談を終え、グータッチを交わす(左から)倉富純男・九州経済連合会会長、谷川浩道・福岡商工会議所会頭、青柳俊彦・九州経済同友会代表委員=福岡市博多区(村本聡撮影)
鼎談を終え、グータッチを交わす(左から)倉富純男・九州経済連合会会長、谷川浩道・福岡商工会議所会頭、青柳俊彦・九州経済同友会代表委員=福岡市博多区(村本聡撮影)

令和4年が幕を開けた。九州・山口では経済団体トップが昨年一新されてから初めての年明けとなった。そんな新春に、経済界の新たな牽引(けんいん)役となった九州経済連合会の倉富純男会長、九州経済同友会の青柳俊彦代表委員、九州商工会議所連合会の谷川浩道会長を迎え、鼎談(ていだん)を行った。くしくも3氏はそろって昭和28年生まれ。〝花のニッパチトリオ〟が九州・山口の将来像や可能性について大いに語った。(聞き手 産経新聞事業顧問 鶴田東洋彦)

--ワクチン接種が進んだことで新型コロナウイルス禍は一服していますが、オミクロン株など不安材料は残ります。まずは今後の九州・山口経済への見方をうかがえますか。

倉富 感染が深刻化する海外と比べれば例外的な状況だ。日本は、規律を守りながら社会生活を営むことができる国なのだろう。そんな中で経済を回していくとなれば考えている以上に明るい1年になるのではないか。

谷川 良くなることは良くなるだろう。ただ、各国との比較では回復ペースが遅くなるだろう。確かに倉富さんが仰ったように日本社会に律義さはあるが、リスク過敏症ではないかという感覚もある。また、経済成長という点では、デジタル競争力が劣っている点が気がかりだ。デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めても、それぞれ個別で社会全体として力が発揮できるような形になっていない。

青柳 方向性は2人と同じだ。私から見ていると回復度合いが業種や地域によってまだら模様になっているのが気がかりだ。

一極集中弊害是正を

――「まだら」を埋めていく上では、コロナ禍で露呈した東京一極集中の弊害を解消することが大事になってくると思います。

倉富 過剰な「密」はいかがなものかとの共通認識はできた。地方創生のチャンスだ。「今しかないんだ」と危機意識を持つ必要がある。

鼎談する(左から)倉富純男・九州経済連合会会長、谷川浩道・福岡商工会議所会頭、青柳俊彦・九州経済同友会代表委員。手前は鶴田東洋彦・産経新聞社事業顧問=福岡市博多区(村本聡撮影)
鼎談する(左から)倉富純男・九州経済連合会会長、谷川浩道・福岡商工会議所会頭、青柳俊彦・九州経済同友会代表委員。手前は鶴田東洋彦・産経新聞社事業顧問=福岡市博多区(村本聡撮影)

谷川 距離と時間はデジタル化によって縮められる。福岡市では再開発が着々と進む。五つ星ホテルも開業予定だ。少なくとも九州には、東京でなくともこちらでできますよという流れがある。

青柳 分散は国内からだけではない。九州は海外投資家らから見ればただの「日本の端」でしかなかった。しかし、アジアに近く、一定の人口もGDPもあることなどを伝えると、関心は高まっていった。福岡市が国際金融都市の形成を目指すのは、そのような状況に裏付けられた活動だろう。ぜひ成功させたい。

――経済復興という観点で、インバウンドを中心に盛り上がっていた観光需要への期待はいかがですか。

倉富 大手旅行代理店から教えられた話だが、いま中国人が最も行きたい国はまずハワイを含めたアメリカで、2番目が日本だったそうだ。国家間の問題はあっても、それぞれの国民一人ひとりの動きは変わらない。本格的な回復の時期は分からないが、これまで以上にフレンドリーな行き来ができるだろう。

谷川 インバウンドもそうだが、今後も新たな感染症など何らかの有事はありえる。その際に国内の観光需要で潤えるという観光地づくりには何が必要かについて、今だからこそしっかりと考えなければいけない。

青柳 日本人がたくさん訪れ、外国人も楽しめるという均衡がとれた姿が必要だ。そんな観光地のあり方、おもてなしを追究しなければならない。

深刻化する災害対応

――経済問題からは少し離れますが、近年、九州・山口では災害が多発しています。地球温暖化との関連が指摘される中、深刻さは増していくばかりです。

青柳 規模や集中度合いなどは、これまでと質が変わってしまった。JR九州でも毎年のように被害を受けている。どう克服するかは常に考えている。ただ、それは、絶対に大丈夫な体制づくりではなく減災や被災時の速やかな復興だ。

倉富 各県や民間は対応のスキルやノウハウがたまっている。有事で一致団結する態勢作りの力は私たちが最先端だろう。

谷川 温暖化との関連でいえば、われわれは被害者であるが、一方で加害者でもあることを忘れてはならない。温室効果ガス削減をめぐる議論は、国家間の駆け引きという部分はある。それでも、企業や国民一人ひとりが、それぞれでできる限りのことはやらなければならない。

地方の将来像は

――これまでの議論を踏まえ、今後の九州、福岡の将来像についてどのようにお考えかについてお聞きできますか。

倉富 DXの流れは地方への追い風だ。また、コロナ前から取り組んでいた再開発などがいま花を咲かせようとしている。福岡空港の2本目の滑走路も完成が近い。われわれの強みは増している。ぜひここから新しい事業を興せる地域にしたい。まさに「九州から日本を動かす」だ。

谷川 DXなくして九州・山口が飛躍的に伸びることはない。着実に進めるために、人材を育成しなければならない。また、観光でも歴史史跡をはじめ、各地で気付かれずに眠っているものはたくさんある。それらをしっかり見いだし、地域を回遊できる形を目指したい。

青柳 DXについていえばデジタル化するだけでなく、自分たちの仕事をイノベーションし、効率を上げるところまで一気通貫でやることが必要だ。自分たちの仕事のやり方を変えるんだという流れを起こすことが肝心だ。種まきはできている。あとは花を咲かせるだけだ。