大阪、オミクロン株警戒 吉村知事「今までにない速度」

「感染第6波の入り口にいる」。大阪府内で新型コロナウイルスの新規感染者が約3カ月ぶりに200人を超えた5日、吉村洋文知事は危機感をあらわにした。疑い例を含め、オミクロン株の感染者全員を入院させる従来の対応では病床が逼迫(ひっぱく)すると判断。入院対象をリスクの高い患者に絞り、あわせて宿泊療養施設の部屋数を約1万室運用することを前倒しで決めた。

府によると、昨年12月1日に12人だった1日当たりの新規感染者数は今月1日に70人まで増加。5日は、その約3・5倍にあたる244人に上った。

オミクロン株の影響は小さくない。大阪で国内初の市中感染事例が確認された先月22日から2週間が経過し、今月5日時点で府内のオミクロン株感染者は153人に増えた。吉村氏は「市中感染を確認してからここに至るまでの速度が速い。今後間違いなく急拡大する。医療資源の適切な分配が必要になってくる」と強調する。

府はこれまでオミクロン株感染者や、デルタ株を検出するスクリーニング検査で陰性となったコロナ感染者について、軽症や無症状でも入院させる措置をとっていた。ただオミクロン株感染者が1日100人程度出て全員入院させる状況が続いた場合、3週間後には全体の病床使用率が50%を超えてしまう。

こうした試算と国の通知に基づき、5日から運用を見直し、65歳未満で軽症または無症状か、基礎疾患などの重症化リスクがない患者は原則、宿泊療養とすることに切り替えた。

宿泊療養施設の1万室運用前倒し

府は14日までに宿泊療養施設を2施設増やし、35施設で計10242室を確保する予定で、順次感染者を受け入れていく方針だ。

このうち4日時点で17施設をオミクロン株感染者の濃厚接触者や帰国待機者の専用施設としているが、濃厚接触者は今後、希望者らを除いて基本的に自宅待機とする。

府の計画では1万室余りの部屋数を全て運用するフェーズは、宿泊療養施設の入所者がおおむね4250人以上に達した場合を想定している。

吉村氏は「(感染拡大速度が)今までにないくらいの上がり方だ。宿泊療養について全フェーズのボタンを押す時期ではないが、約1万室の運用を開始する判断をした」と前倒しの理由を説明した。