護国神社って?若者に遠い存在…漫画で分かりやすく

「まんが護国神社へ行こう!」の漫画家・そやままいさん(右)と原作の山中浩市さん=20日、大阪市住之江区の大阪護国神社(前川純一郎撮影)
「まんが護国神社へ行こう!」の漫画家・そやままいさん(右)と原作の山中浩市さん=20日、大阪市住之江区の大阪護国神社(前川純一郎撮影)

幕末から先の大戦までの間、国のために戦って亡くなった武士や軍人らの御霊(みたま)を祀(まつ)る護国神社。主要なものだけで全国に52あるが、戦後77年を迎えようとするなか、若者世代には縁遠い存在になりがちだ。そんな護国神社の創建の歴史や祭神を分かりやすく解説した漫画本が昨年秋に刊行され、好評だという。原作者は新年の平穏無事を祈る初詣などの機会に、国難に殉じた郷土の英霊に思いをはせてほしいと考えている。

満開の桜に導かれ、護国神社を偶然訪れた主人公の兄妹(きょうだい)、まもるとミクを、こま犬の精霊が案内する-。そんな架空の場面から始まる漫画は『護国神社へ行こう!』(かざひの文庫)。護国神社の成り立ちや祀られている先人の思い、参拝方法などをやさしいタッチで紹介する。

護国神社への造詣が深く、京都霊山(りょうぜん)護国神社(京都市東山区)で清掃奉仕の会代表を務める山中浩市さん(65)が原作を、漫画家のそやままいさん(33)が登場人物などの作画をそれぞれ担当した。

「戦没者遺族が参拝するものというイメージが強いだけでなく、戦争を美化する存在ととらえられがちな護国神社の誤解を解きたかった」と山中さん。すでに全国の護国神社を紹介したガイドブックを著していたが、全く知識がなくても関心を持ってもらえるよう漫画にするのが「入門編」としては最適だと考えた。

漫画「護国神社へ行こう!」
漫画「護国神社へ行こう!」

「先人へ感謝伝えられる場であって」

作中では兄妹の前に現れた「兵隊さん」が、現代に生きる人たちから《かわいそう》《気の毒》といった同情の言葉が投げかけられると明かす一コマがある。思い入れが強いというこの描写について、山中さんは「甲子園で敗退した高校球児にはそうは言わない。『ありがとう』を伝えてあげれば、命を賭して戦った兵隊さんも浮かばれる」と話す。

『漫画 特攻 最後のインタビュー』(扶桑社)を描いたそやまさんは、その際、3人の元隊員にインタビューをした。それまで抱いていた「軍人」のイメージと異なり、何も知らない自分に丁寧に教えてくれたことが忘れられないという。

国難に立ち向かったかつての若者に、そやまさんは「今、私たちが平和な現代を生きているのも当たり前ではない気がしてくる。護国神社が先人へ感謝を伝えられる場であってほしい」と思いをめぐらす。

山中さんは「英霊が私たちに託したバトンはどんなものだったのか。私たちは次代にどんなバトンをつなげばいいか。漫画がそんなことを考えるきっかけになればうれしい」と語った。

『護国神社へ行こう!』はブックレット型で60ページ。770円(税込み)。インターネット通販「アマゾン」や書店での取り寄せで購入できる。(矢田幸己)