国鉄が昭和62年春、JRに移行してからまもなく35年となる。その間、バブル崩壊、全国各地での地震や豪雨、そして昨今の新型コロナウイルス禍などを経験し、鉄道や旅を取り巻く状況は大きく変化した。鉄道が現在よりも大きな位置を占めていた国鉄時代。懐かしい当時を振り返りながら、移り変わる鉄道の風景を見つめてみた。
JR西日本が長距離の観光特急列車として令和2年秋に運行を開始した「ウエストエクスプレス銀河」。京都・大阪などから出雲市(島根)への山陰コース、下関(山口)を目指す山陽コース、新宮(和歌山)行きの紀南コースがある。乗車には旅行会社のツアーに申し込む必要があり、新型コロナウイルス禍でも高い人気を誇っている。
車両は国鉄時代、京阪神を新快速として走り、車齢40年以上になる117系電車を改造したもの。濃紺の外観は、かつて寝台列車に使用された客車「ブルートレイン」を思わせる。そして列車名の「銀河」もそう。東京と大阪を結び、ビジネスマンや観光客が利用した寝台急行と同じだ。