光を撮る

神戸ロソーネ 静かな灯、つなぐ思い

ロソーネの後ろでリニューアル工事中の神戸ポートタワーが輝いた
ロソーネの後ろでリニューアル工事中の神戸ポートタワーが輝いた

神戸にとって12月初旬の10日間は特別だ。平成7年1月17日に発生した阪神大震災の犠牲者の鎮魂と復興を祈る光の回廊「神戸ルミナリエ」が飾られるからだ。

メリケンパークに展示されたロソーネ
メリケンパークに展示されたロソーネ

震災発生の年から25年間続いたルミナリエだったが、新型コロナ感染拡大に伴う大規模イベント中止で令和2年に途切れた。やむを得ず、この年は規模を縮小し東遊園地でドーム状の電飾と小さなアーチを設置するだけとなった。

年末で混み合う三宮センター街。道行く人が頭上の光に足を止めた
年末で混み合う三宮センター街。道行く人が頭上の光に足を止めた

そして3年12月。コロナ禍はいくぶん収まったもののまだ警戒は続いた。ただ、神戸にともされる鎮魂の明かりは途切れなかった。

光の花が神戸の街にたたずんだ
光の花が神戸の街にたたずんだ

今回はルミナリエの最終地点を飾る花の形の電飾「ロソーネ」(イタリア語でバラ窓の意味)を、メリケンパークや東遊園地など震災に縁の深い7カ所に設置した。

摩耶山から望む神戸の美しい夜景。市中心部7カ所にロソーネが展示された
摩耶山から望む神戸の美しい夜景。市中心部7カ所にロソーネが展示された

12月3日から10日間、街角に直径約3メートルの光の花が咲いた。街行く人が足を止め、それぞれに犠牲者の魂を思っていた。

家族で訪れた鳥田千恵子さん(71)は「毎年、来ていました。震災後、ルミナリエの光を見て、初めて気持ちが安らいだ。この光を見ると、その時を思い出します」

柔らかい光が南京町を照らす
柔らかい光が南京町を照らす

初日に園児を連れロソーネを訪れた神戸市内の保育園園長、谷口千世さん(35)は「子供たちにルミナリエは命の光と教えています。大人は(震災と犠牲者の思いを)伝えていく使命がある」という。

ルミナリエが初めて開催された平成7年のロソーネは東遊園地に設置された。手前では「1・17希望の灯り」の火が揺れる
ルミナリエが初めて開催された平成7年のロソーネは東遊園地に設置された。手前では「1・17希望の灯り」の火が揺れる

神戸ルミナリエ組織委員会事務局の本田雅也さん(30)は「時が流れていくにつれ震災を知らない世代が増える。光をともすことでルミナリエの思いをつなげていければ」と話した。

ロソーネの後ろでリニューアル工事中の神戸ポートタワーが輝いた
ロソーネの後ろでリニューアル工事中の神戸ポートタワーが輝いた

冬の神戸を照らす光。形を変えても震災の記憶と犠牲者への思いを、確かにつなげていた。

(写真報道局 鳥越瑞絵)