大原櫻子、1人2役で双子姉妹演じる 「生みの苦しみと戦ってる」

「答えを見つけるのではなく、心を震わせるために劇場に来てほしい」と話す大原櫻子(川口良介撮影)
「答えを見つけるのではなく、心を震わせるために劇場に来てほしい」と話す大原櫻子(川口良介撮影)

保守的で〝良い子〟のマーナと、リベラルで〝悪い子〟のマイラ。1950~80年代の米国で暮らす、性格もポリシーも正反対の双子姉妹が主人公の舞台「ミネオラ・ツインズ」(ポーラ・ヴォーゲル作、藤田俊太郎演出)が7日から東京都港区のスパイラルホールで上演される。日本初演。1人2役で主演する大原櫻子は「どうやったら魅力的に演じられるか。観客を引き込めるか。生みの苦しみと闘っている」と話す。

古き良きアメリカから冷戦、ベトナム戦争とヒッピー文化など激動の30年を背景に、ニューヨーク郊外の町ミネオラで生まれた双子の姉妹はどのような人生を歩むのか…。

戯曲冒頭に「(一部の役を除いて)この芝居は常にホルモンの影響による興奮状態で演じてほしい」と記されているほど、情緒不安定で、めまぐるしい物語。そのなかにジェンダー、戦争、分断などのテーマと、時代による価値観の変遷が詰め込まれている。「でも難しいことを考えると(展開から)置いてけぼりになる。考えないで、本能で見てほしい」と笑う。

これまで女優として、舞台やテレビドラマ、映画でさまざまな女性を演じてきたが、1人で双子姉妹の10代、30代、50代を演じ分けねばならないのは難題だった。「姿勢だったり、声だったり、それぞれ年を重ねていく様子をどう表現するかが、非常に難しい。とくにセリフの捉え方に苦戦した」。半年前からワークショップを行い、ときに原文にあたり、当時の資料を探すなど、丁寧に台本を読み解いて役作りをしてきた。

時代が進むにつれ、悪い子のマイラは抑圧と闘うべく反戦や女性解放運動に身を投じ、良い子のマーナは旧アメリカの価値観を固持して行動する。「人間の二面性の話でもあり、どちらにも共感できる」といい、「みんな自分と違う思想に憧れがあったり、嫌悪感があったり。それが表裏一体になっているのが、この双子だと思う」と分析する。

時代の移り変わりのなかで、彼女たちは何を見るのか。決して現代日本から遠い話ではないという。例えばマイラについて。「女性解放の運動は続いている。だからこそ今、演じる意味があるなって感じている」

31日まで。問い合わせはシス・カンパニー、03・5423・5906。(三宅令)