文氏が新年の辞「次期政権も南北対話を」…外交的行き詰まり露呈

韓国の文在寅大統領=ソウル(聯合=共同)
韓国の文在寅大統領=ソウル(聯合=共同)

【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、大統領府で今年の抱負を表明する「新年の辞」を発表した。滞った北朝鮮との関係について「最後まで南北関係の正常化と平和の道を模索し、次期政権でも対話の努力が続くことを願う」と述べた。悪化した日韓関係への言及はなかった。

今年5月に任期終了を控える文氏は、在任中最も力を注いできた南北対話や戦後最悪とされる日韓関係の改善をめぐって新たな提案を行うことはなく、外交的な行き詰まりが浮き彫りになった。

3月の大統領選については「敵対や憎悪、分裂ではなく、国民の希望を込めた統合の選挙になればと思う」と語った。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾を受けて誕生した文政権は旧保守政権の糾弾を進めたが、それによって生じた社会分断が次期政権で一層拡大することへの懸念が背景にあるようだ。

韓国では新政権が前政権の政策を徹底して否定する構図が目立つが、文氏は「前の政権の成果が次の政権に引き継がれる」重要性を訴え、自身の業績が否定されることがないようクギを刺した。

文氏は「韓国は経済力や軍事力、外交力、文化力など多方面で世界トップ10国家となった」と述べ、演説の大半は任期中の経済成長などの成果の自賛に終始した。昨年11月以降に重症患者が急増し、国内で批判が噴出する新型コロナウイルスの対応策についても「世界は防疫模範国、韓国に注目した」と主張するなど、成果として強調した。