<独自>中国の極超音速兵器、標的に近接着弾

2019年10月、中国・北京での軍事パレードで通常兵器として公開された極超音速ミサイル「DF17」(中国国防省HPから)。中国は核戦力としても極超音速兵器の開発を進めている
2019年10月、中国・北京での軍事パレードで通常兵器として公開された極超音速ミサイル「DF17」(中国国防省HPから)。中国は核戦力としても極超音速兵器の開発を進めている

中国が昨年8月に実施した極超音速兵器の発射実験について、標的に近接した地点に着弾していたと日米両政府が分析していることが2日、分かった。複数の日米軍事筋が明らかにした。これまで標的から約40キロ離れた地点に着弾したとされていたが、中国の精密誘導技術の向上で脅威レベルが高まっていることになる。米軍首脳は8月の実験で大きな衝撃を受けたとしており、こうした分析結果が反映されているとみられる。

8月の実験は英紙フィナンシャル・タイムズ電子版が10月16日に報道した。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が同月27日放送の米テレビのインタビューで事実と認めた。報道では、極超音速兵器は地球の低周回軌道を回った後に速度を上げながら滑空飛行し、目標から約24マイル(約39キロ)離れた地点に着弾したとされたが、ミリー氏は詳細を明らかにしなかった。

複数の日米軍事関係筋によると、極超音速兵器は中国国内の砂漠地帯に設置された標的に極めて近い地点に着弾。分析結果は政府首脳レベルにも報告されたという。

ミリー氏は1957年に旧ソ連の史上初の人工衛星打ち上げが米国にショックを与えた「スプートニク・モーメント」に言及し、「かなりそれに近い」と述べている。松野博一官房長官も昨年10月18日の記者会見で「中国がミサイル防衛の突破が可能な打撃力を獲得するため超音速滑空兵器の開発を急速に推進している」と指摘。その上で「新たな脅威の中には従来の装備品では対処が困難と指摘されるものもある」とした。

中国外務省の趙立堅報道官は10月18日の記者会見でフィナンシャル・タイムズの報道を否定。実験は「ミサイルではなく宇宙船の再利用技術を検証する日常的な試験だ」と述べた。

■ミサイル防衛裏かく南極経由も 中国の極超音速兵器