北京五輪

主役の座譲らぬ スピードスケート高木美帆

高木美は五輪史上日本女子初の1大会3冠も射程圏にとらえる=長野市エムウェーブ(彦野公太朗撮影)
高木美は五輪史上日本女子初の1大会3冠も射程圏にとらえる=長野市エムウェーブ(彦野公太朗撮影)

北京冬季五輪でメダルラッシュが期待される日本スピードスケート勢だが、中でも注目されるのがエース、高木美帆(日体大職)だ。「勝ちに行く滑りをしたい」と気力も充実。五輪史上日本女子初の1大会3冠も射程圏にとらえ、北京に乗り込む。

確固たる手応えをつかみ、自身3度目の五輪を迎える。前回の2018年平昌五輪では女子団体追い抜きで金メダルを獲得したものの、個人種目では頂点に届かなかった。

進化を追求する旅がまた始まると、19年3月には1500メートルで世界記録を更新。コロナ禍で海外遠征が中止になった昨季も減速することなく成長を続け、国内最高やリンク記録を続々と更新。全日本選手権では全5種目を完全制覇する離れ業も演じた。

そして迎えた五輪シーズン。「自分の中でこれをやりたいと考えたときに出てきたのが、1500メートルと1000メートルで一番を取りたいという思い」。理想の滑りよりも勝利へのこだわりを強く打ち出して臨むと、昨年11、12月のワールドカップ(W杯)で1500メートルは出場3戦すべてを制し、1000メートルも優勝1回、2位2回。2連覇がかかる団体追い抜きを含めた五輪3冠が現実味を帯びてきた。

ただ、好記録を出しても本人は「五輪はまた別物」とさらり。〝スーパー中学生〟として10年バンクーバー五輪に出場して以来、さまざまな経験を積んできた27歳に隙はなく、冷静に自分自身と向き合い、勝負の時に備える。

どんなドラマが待ち受けているのか。「積み上げてきたものが少しずつ出来上がっている。それを最高のものにして、北京で全部ぶつけてみたい」。この冬の主役の座は誰にも譲るつもりはない。(橋本謙太郎)

たかぎ・みほ 1994年5月22日生まれ、北海道出身。北海道・札内中3年在学中の2010年にバンクーバー五輪出場。18年平昌で女子団体追い抜き金、1500メートル銀、1000メートルで銅メダルを獲得。