東北の空に描く夢

(下)福島から初代王者目指すエアレースパイロット

コックピットで操縦かんを握るエアレースパイロットの室屋義秀さん。この機体で頂点を目指す=福島市(芹沢伸生撮影)
コックピットで操縦かんを握るエアレースパイロットの室屋義秀さん。この機体で頂点を目指す=福島市(芹沢伸生撮影)

エアレース世界選手権に参戦する室屋義秀さん(48)

ヨーロッパや中東を舞台に今年から始まる「エアレース世界選手権」に参戦する。前身のレッドブル・エアレースで、平成29年にアジア人として初めて、年間総合優勝を果たした〝空のサムライ〟は、新たな大舞台で初代チャンピオンを目指す。

エアレース世界選手権は5月頃から年末まで複数回レースを行う。前身のレッドブル・エアレース大会は令和元年に終了しており、新たに始まるレースだ。5~6キロのコースを急旋回するなどしてタイムを競う。今回はトヨタの「レクサス」と、自ら代表を務める航空マーケティング会社「パスファインダー」でつくるチーム「レクサス・パスファインダー・エアレーシング」で臨む。

小さい頃から乗り物が好きで、大学ではグライダー競技を行う航空部に入部。大学2年で渡米し自家用機の免許を取得した。が、パイロットへの道は険しかった。「大学卒業時は就職氷河期。エアラインのパイロット募集は毎年100人くらいあったのがゼロになった。就職せずアルバイトをしながら訓練を続けた」。

そんな時、兵庫県で開かれたアクロバット飛行の大会を見て衝撃を受けた。「こんなことが人間にできるのか…」。同時に「やるならこれだ」と思った。その後、アクロバット飛行の訓練を積み機体も購入、海外のエアショーに出場するなどして、徐々に活躍の場を広げていった。