コロナ禍に挑む大宮よしもと 今年注目の漫才コンビは

大宮ラクーンよしもと劇場でのお笑いライブの様子=令和3年12月11日、さいたま市大宮区(兼松康撮影)
大宮ラクーンよしもと劇場でのお笑いライブの様子=令和3年12月11日、さいたま市大宮区(兼松康撮影)

新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中、令和4年が幕を開けた。公演の中止や延期が相次いだエンターテインメント業界では、苦境に立ち向かうための試行錯誤がなお続く。吉本興業が運営する「大宮ラクーンよしもと劇場」(さいたま市大宮区)は、公演のオンライン配信によって新たなファンの獲得を図るなどして、「新たな日常」にどう臨むかの模索を重ねている。

オンラインで予想超える波及

平成26年7月にオープンした同劇場は近年、知名度が全国区に高まりつつある。劇場を拠点とする「マヂカルラブリー」「すゑひろがりず」など6組の芸人のユニット「大宮セブン」は、お笑いのファン以外にも広く知られる存在だ。マヂカルラブリーは令和2年のM―1グランプリで優勝し、すゑひろがりずは元年に決勝進出を果たした。

オンライン配信を始めたのは感染拡大が深刻化した2年7月だった。

言わずもがな、生の公演の中止や入場者数制限に伴う「次善の策」という位置づけだったが、その波及力は予想を大きく上回った。

劇場の席数が約140であるのに対し、配信1回当たりの視聴者数は多いときで500人程度。最低1千円程度の視聴料(出演者などによって異なる)を破格の150円に設定した3年11月の特別配信では、なんと約4千人に達した。

劇場の森卓也支配人(29)は「お笑いライブを見たことのない人にも裾野を広げることができた」と手応えを語る。

「お笑い劇場のキャパシティーは、大きな会場でもせいぜい1千人程度。それ以上の規模だと、声が反響してしまいお笑いとして成立しない。しかし、オンラインなら多くの人に見てもらえると気づいた」

劇場側による配信と並行して、芸人たちもそれぞれインターネットでの発信に力を入れている。

狂言を取り入れた芸風が特徴的なすゑひろがりずは、動画投稿サイト「ユーチューブ」で幅広い層に認知されるようになった。家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」向けソフト「あつまれ どうぶつの森」を狂言風に実況する動画が大きな反響を呼んだ。

劇場も芸人たちも、オンラインに活路を見いだしてコロナ禍に立ち向かっているが、軸足をそちらへ移してしまおうというわけでは決してない。

「お笑いはやはり、生で見てもらうのが一番」と森支配人。新たなファン開拓の試みとして、若者を生の公演に呼び込むために「高校生料金」を新たに設定した。最低1500円程度の料金を平日に限って1千円に値下げしている。

「大宮セブンに続くスターを育て、ニュースを切らさない劇場にしたい」

言葉に力を込めて新しい年の展望を描いた。