日本最北限のライチョウを守れ 新潟・妙高市の挑戦

冬の火打山のライチョウ=新潟県妙高市(同市提供)
冬の火打山のライチョウ=新潟県妙高市(同市提供)

国の天然記念物に指定され、絶滅危惧種になっているライチョウ。地球温暖化の影響などでその生息環境が悪化しているなか、国内生息地の最北限となっている新潟県妙高市では「クラウドファンディング型ふるさと納税」などの新しい手法で資金を確保し、保全活動に奮闘している。その取り組みを追った。

生息数は約30羽か

ライチョウは体長40センチほどのキジ科の鳥。北米、北欧など北極圏に近い寒帯に分布し、国内では新潟、富山、長野各県など本州中部の高山帯に生息している。

新潟県内では、妙高市と糸魚川市にまたがる火打山(ひうちやま)(標高2462メートル)の2200メートル以上に生息。新潟ライチョウ研究会(妙高市)の調査では、令和2年に火打山で22羽のライチョウを確認した。同研究会の長野康之代表(56)によると「見落としている個体も含めると火打山には30羽ほどが生息していると推測される」という。

火打山は国内のライチョウ生息地の最北限。生息地内の個体数は、国内の他の生息地と比べて最少とみられており、希少性が高い。

ライチョウの保全に力を入れている新潟県の妙高市役所(本田賢一撮影)
ライチョウの保全に力を入れている新潟県の妙高市役所(本田賢一撮影)

新手法で資金集め

妙高市は、ライチョウを自然環境保全の象徴として生態調査や保護活動に力を入れている。市環境生活課の豊田勝弘係長は「高山地帯に生息しているため生態に謎の部分が多い。まず生態調査を重ね、そのうえで保護策を検討することにしている」と話す。

ただ高山地帯での調査・保護活動は費用もかかり、年間150万円ほど必要になる。市は、クラウドファンディング型ふるさと納税(目標額140万円)と、地域自然資産法に基づき火打山などの登山者から任意で徴収する入域料(500円)を活用し資金を確保。自治体の自然環境保全を支援する同法に基づき、山に入域料を設けるのは全国の自治体で妙高市が初めてで、同市は昨年7月から導入した。

クラウドファンディング型ふるさと納税とは、ふるさと納税の仕組みを使い、地方自治体が立ち上げた事業に使途を限定して寄付金を募るもの。市は火打山のライチョウの調査・保護事業に使途を限定し、平成30年から毎年目標額140万円で寄付金を募っている。今年度も昨年12月21日に目標額を達成した。