産経抄

1月1日

食の記憶は、思い出を鮮明によみがえらせる。九州の故郷では、正月魚といえばブリだった。刺し身、塩焼き、照り焼きに雑煮にもブリが入る。「鰤(ぶり)雑煮 九州男子 二言なき」(奥名正子)。上京し、東日本の正月魚はサケだと知ったときの驚きは昨日のことのようである。

▼雑煮の餅が関ケ原(岐阜県)付近を境界に東は角餅、西は丸餅が主流であることや、近畿では汁はみそ仕立てが多いことも後に知った。まさに「十人に 十のふるさと 雑煮祝(ほ)ぐ」(後藤房枝)である。具材もイワシのつみれ、焼きアナゴ、塩豚…とバラエティーに富む。

▼それぞれの地方で、風土や名産にちなむ雑煮が生まれ、愛されてきた。もっとも同じ地域でも、もちろん家庭によって受け継がれてきた味も具材も違う。「食べ慣れた生れ故郷の地方色あるやり方が、一番趣味的で意義がある」。美食家で有名な北大路魯山人も述べている。

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