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海老蔵、人気絵本とコラボ 新作歌舞伎「プペル」新橋演舞場で1月上演

制作発表会見に臨む(右から)西野亮廣、市川海老蔵(水沼啓子撮影)
制作発表会見に臨む(右から)西野亮廣、市川海老蔵(水沼啓子撮影)

毎年1月の新橋演舞場といえば、市川海老蔵(44)が座頭を務める歌舞伎公演が恒例となっている。新作歌舞伎にも精力的に取り組む海老蔵は今回、絵本「えんとつ町のプペル」を原作とする新作歌舞伎「プペル~天明の護美人間~」(1月3~20日)に挑戦する。これまでも漫画との歌舞伎のコラボ作品「ワンピース」などは人気を博し、再演されてきた。今回の新作歌舞伎に、観客はどんな評価を下すのか。

新作歌舞伎の原作となったのが、漫才コンビ「キングコング」の西野亮廣(41)が手掛けた絵本「えんとつ町のプペル」。昨年11月に行われた制作発表記者会見で、新作歌舞伎の脚本も担う西野は「人生をかけて臨む仕事になると思ったので、一生懸命頑張ります」と意気込みを見せた。また作品にほれ込んだ海老蔵から直接、歌舞伎化のオファーを受け、その場で快諾したことも明かした。

ゴミ人間プペルを演じる海老蔵は「ゴミ人間といっても、人間ではなく純粋無垢(むく)なもので言葉数が少ない。歌舞伎にしたとき、せりふ以外でどうカバーしていくのかが今回大きなテーマ」と演じる上での課題を挙げた。

少年ルビッチに当たる、はる役を、長女の市川ぼたん(10)と長男の堀越勸玄(8)が交互に演じる。海老蔵は「(2人は)同じ役をやるのでライバル」と話し、刺激し合いながら成長する姿を楽しみにしているという。

また海老蔵は能や文楽の作品が歌舞伎化されてきた歴史を振り返りながら、「(プペルが)歌舞伎として残っていくなら望むべき姿と思う」と再演に期待を寄せた。

大名跡、市川團十郎の襲名が予定されている海老蔵は歌舞伎界きっての大スター。舞台ではオーラと目力で圧倒的な存在感を放つ。その魅力で、歌舞伎ファン以外の人たちもひきつけてやまない。

海老蔵は①古典作品の継承②市川宗家のお家芸「歌舞伎十八番」ものの復活③異分野のクリエイターと創り上げる新作歌舞伎-の三本柱を掲げ、守り伝えるだけでなく、新たな挑戦にも意欲的に取り組んでいる。その実践の場となっているのが、平成20年から座頭を務める1月の新橋演舞場だ。

21年には、上演されなくなっていた歌舞伎十八番の一つ「七つ面」を復活。30年には宮沢章夫脚本、宮本亜門演出による新作歌舞伎「通し狂言 日本むかし話」を上演するなど、海老蔵スタイルを前面に打ち出してきた。

令和2年には作詞家・プロデューサーの秋元康作、演出の新作歌舞伎「NINJAKABUKI『雪蛍恋乃滝』」を上演。勸玄との親子共演で話題を集めたが、評論家の評価はあまり芳しくなく、再演を望む声も聞こえてこない。

一方、新作歌舞伎「プペル」には、期待を寄せる声とともに疑問の声もあがっている。歌舞伎座の場合、観劇料は1等席が1万6千円だが、「プペル」はSS席が3万円と高額。西野は記者会見で「3万円の席があるおかげで3千円(C席)の席がつくれる」と弁明した。ただ歌舞伎座にも3500円(3階B席)と手頃な価格帯の席はある。

また、新作歌舞伎「プペル」は当初、松竹の主催・制作による上演を予定していたが、その後、主催・制作が新作歌舞伎「プペル」実行委員会に変更された。松竹が主催・制作から外れた理由は明らかになっていないが、「高額の観劇料をめぐり、松竹との間で折り合いがつかなかったためではないか」といった声も聞かれる。

これまで漫画や絵本などを原作とする新作歌舞伎「ワンピース」や「あらしのよるに」といった作品は再演もされ、評論家の間でも「質が高いすぐれた作品」「新作歌舞伎の名にふさわしい」と評価は高い。果たして新作歌舞伎「プペル」の評価はいかに…。