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#2国間クレジット制度 クリーン技術輸出で排出権

地球温暖化対策に関心が集まる中、政府は国際社会に先駆けて取り組んできた「2国間クレジット制度(JCM=ジョイント・クレディティング・メカニズム)」の強化に乗り出している。きっかけは11月に開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、排出量取引の仕組みを規定する「パリ協定第6条」のルールが大枠合意し、国家間の排出量取引に道筋が示されたことだ。令和4年度予算案で環境省のプロジェクト予算は大幅増となり、新たな枠組み作りも打ち出した。JCMを活用した脱炭素化技術・サービスの海外展開に弾みをつけたい考えだ。

今月24日に閣議決定した政府の4年度予算案で、環境省はJCM資金支援事業の補助金枠を125億円と前年度比2割増とした。山口壮(つよし)環境相は「JCMを活用した、わが国の技術の海外展開も積極的に推進する」と話す。

■17カ国と協定

JCMは、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備や高効率空調機など、二酸化炭素(CO2)排出削減効果があるエネルギー関連の設備やサービスを提供し、導入国で設備稼働後に得られるCO2排出削減量をクレジット(排出権)化して2国間で分け合う仕組みだ。日本と協定を結ぶパートナー国は2013年の制度立ち上げ以降、アジア・アフリカ諸国など17カ国に上る。

所管は環境省と経済産業省で、令和3年度までの採択件数は203件。クレジット発行の主力は環境省が担う設備補助事業で、初期投資費用の最大50%を補助する。日本企業が、設備などを提供する相手国側の企業との共同事業として応募するが、今年度は10月下旬までの募集期間中に予算枠(76億円)を使い切り、前倒しで締め切られた。同省の担当者は「企業の急激な関心の高まりを感じていた。4年度予算案で増額が決まり、プロジェクト採択数が増やせるようになる」と話す。

JCMへの応募数の急増の背景について、環境団体の関係者は政府の「2050(令和32)年カーボンニュートラル」宣言が後押しになったと指摘する。50年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す政府目標が「企業として排出量削減対応が迫られるとの危機感につながった」との見方だ。そもそも途上国で展開するJCMの枠組みは、費用対効果の面で効率的な排出量削減対策だ。省エネ技術の普及が遅れている途上国と、省エネに取り組み続けてきた日本国内を比べれば、同じ排出量を削減する場合のコストは途上国での対策の方が小さくて済む。