途上国にワクチンが十分に行き渡らない背景には、供給が限られている要因に加え、途上国に到着したワクチンが期限切れ間近だったり、現地で注射器などが不足したりしている事情がある。ワクチンが高額なことも普及を妨げている。

WHOの幹部は変異株について、ワクチン接種率の低い地域で「発生する可能性が高い」と指摘する。実際、オミクロン株の感染を最初にWHOに報告した南アフリカでは少なくとも1回接種した人は人口の半分に満たない。

先進国での追加接種よりも途上国などで接種を完了させることが変異株拡大の抑制に有効ともみられており、国連のグテレス事務総長は11月末、「ワクチン接種率の低さは変異株を生み出す温床となっている」とも強調している。

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