「ワクチン格差」鮮明 先進国が追加接種加速

【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスのワクチン普及が地域で偏る「ワクチン格差」が鮮明になっている。新変異株「オミクロン株」拡大に伴い、先進国が中心に追加接種(ブースター)を加速する一方、途上国の接種ペースは依然遅い。中国で新型コロナによる初の感染症が公表されて31日で2年。世界保健機関(WHO)は、変異を繰り返して拡散するウイルスを抑えるにはワクチン格差の解消が重要として危機感を強めている。

WHOのテドロス事務局長は29日、年末までに全加盟国で人口の4割に対しワクチン接種を完了する目標を、92カ国・地域で達成できなかったことを明らかにした。ワクチン格差をなくすことが「パンデミック(世界的大流行)を終わらせるカギになる」と述べ、来年前半までに全ての国で人口の7割に接種する目標の達成を呼びかけた。

オミクロン株の感染拡大を受け、先進国は追加接種を急ぐ。イスラエルでは27日、医療関係者150人を含む6千人を対象に4回目の接種が世界で初めて試験的に始まった。WHOによると、22日時点で世界で投与されているワクチンの約2割が追加接種に充てられている。

一方、途上国のワクチン普及は難航したままで、先進国との差は広がる。英統計専門サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、100人当たりのワクチン投与回数(28日時点)はアフリカなど低所得国で11・56回。これに対し先進国など高所得国では166・31回に上り、ブースターの投与回数だけで22・89回と、低所得国を上回っている。