コロナ禍の五輪・パラ開催、新政権発足… 令和3年「国内10大ニュース」

東京五輪の開会式で入場行進する日本選手団=7月23日、国立競技場(桐山弘太撮影)
東京五輪の開会式で入場行進する日本選手団=7月23日、国立競技場(桐山弘太撮影)

今年、産経新聞および産経ニュースに掲載された記事を編集局内で振り返って検証し、特に日本や世界に与えた影響が大きいと思われるニュースを厳選して「10大ニュース」を決めました。

〔1〕東京五輪・パラ開催

新型コロナウイルスの影響で史上初めて開幕が1年延期された東京五輪・パラリンピックが7~9月、東京都を中心に10都道県で開かれた。感染拡大防止策として五輪は42会場中37会場、パラは全21会場で原則無観客に。選手らに対しては外部との接触を遮断する「バブル方式」が徹底されるなど異例の形式で行われた。

感染拡大への懸念などから国民の幅広い支持が得られないままの開催だったが、会場や選手村でクラスター(感染者集団)は発生せず。大会組織委員会の橋本聖子会長は「全体として安全最優先の開催を実現し、大きな問題もなく大会を終えられた」と総括した。日本は五輪で史上最多の計58個(金27、銀14、銅17)のメダルを獲得した。

〔2〕菅首相退陣、岸田政権が誕生

 第100代首相に選出され、祝福に応える自民党の岸田文雄総裁=10月4日、衆院本会議場
第100代首相に選出され、祝福に応える自民党の岸田文雄総裁=10月4日、衆院本会議場

菅義偉首相(当時)は9月3日、次の自民党総裁選への不出馬を表明した。再選を目指していたが、新型コロナウイルス対応への国民の不満や不安が表面化し、断念に追い込まれた。4人で争われた総裁選を制した岸田文雄氏は10月4日に第100代首相に指名された後、任期満了が迫る衆院を解散。総選挙で自民党は絶対安定多数(261議席)を確保、11月10日に第2次岸田政権が発足した。

〔3〕新型コロナ 緊急事態宣言繰り返す

緊急事態宣言の発令に伴う菅義偉首相(当時)の記者会見を報じる新宿駅前の街頭ビジョン=1月7日午後、東京都新宿区(松本健吾撮影)
緊急事態宣言の発令に伴う菅義偉首相(当時)の記者会見を報じる新宿駅前の街頭ビジョン=1月7日午後、東京都新宿区(松本健吾撮影)

新型コロナウイルスは年初から猛威を振るい、政府は1月7日、首都圏1都3県に緊急事態宣言の発令を決めた。宣言は対象の拡大・縮小、期間の延長・解除・発令が繰り返され、感染力の強い変異株「デルタ株」の感染が拡大した夏の「第5波」では、1日あたりの新規感染者が2万5000人を突破。医療体制は逼迫(ひっぱく)し、飲食店などの休業・営業時間短縮、移動自粛などで国民生活が制約された。

〔4〕大阪・北新地でビル火災、25人死亡

白煙を上げる火災現場=17日午前、大阪市北区(通行人提供)
白煙を上げる火災現場=17日午前、大阪市北区(通行人提供)

12月17日午前10時20分ごろ、大阪市北区曽根崎新地のビル4階の心療内科「西梅田こころとからだのクリニック」で火災が発生。火は約30分後にほぼ消し止められたが、計28人が病院に運ばれ、男性院長ら25人の死亡が確認された。大阪府警は現住建造物等放火と殺人の疑いで、クリニックの患者で住所、職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)を捜査しているが、重体のため逮捕に至っていない。

〔5〕藤井聡太棋聖、最年少4冠

4冠目の竜王を獲得し、記者会見する藤井聡太三冠=11月13日、山口県宇部市(沢野貴信撮影)
4冠目の竜王を獲得し、記者会見する藤井聡太三冠=11月13日、山口県宇部市(沢野貴信撮影)

11月12、13日に行われた将棋の第34期竜王戦七番勝負の第4局で、藤井聡太三冠(19)=棋聖・王位・叡王=が豊島将之竜王(31)を破り、開幕から4連勝で4冠目の竜王を獲得した。4つのタイトルを同時に保持する「四冠」の誕生は28年ぶりで、史上6人目の快挙。19歳3カ月での達成は史上最年少となった。藤井四冠は来年1月9日開幕の王将戦に挑み、最年少5冠を目指す。

〔6〕眞子さん、小室さんと結婚

結婚に際し、記者会見に臨む秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さん(右)と小室圭さん=10月26日、東京都千代田区
結婚に際し、記者会見に臨む秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さん(右)と小室圭さん=10月26日、東京都千代田区

秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さん(30)が10月26日、国際基督教大(ICU)時代の同級生、小室圭さん(30)と結婚し、皇籍を離脱した。2人は11月14日、小室さんの勤務先がある米国に渡った。平成29年9月の婚約内定後、小室家の金銭トラブルが報じられ、延期を経て5年越しに実現した結婚は、儀式を実施せず、皇籍離脱に当たっての一時金も支給しない異例の形となった。

〔7〕みずほ2度の業務改善命令、3首脳退任へ

2度目の業務改善命令が出され、経営トップ3人が退任を表明したみずほ銀行のATM(現金自動預払機)=11月26日、東京都千代田区
2度目の業務改善命令が出され、経営トップ3人が退任を表明したみずほ銀行のATM(現金自動預払機)=11月26日、東京都千代田区

金融庁は11月26日、システム障害が相次いだみずほ銀行と親会社みずほフィナンシャルグループ(FG)に今年2度目の業務改善命令を出した。「経営陣の責任は重大」と指摘し、経営責任の明確化と再発防止策の策定を求めた。みずほFGは同日、坂井辰史社長ら経営トップの3首脳が退任する方針を発表した。

〔8〕日米首脳、共同声明で「台湾海峡」明記

日米首脳会談後、共同記者会見に向かう菅義偉首相(左、当時)とジョー・バイデン米大統領=4月16日、ワシントンのホワイトハウス(共同)
日米首脳会談後、共同記者会見に向かう菅義偉首相(左、当時)とジョー・バイデン米大統領=4月16日、ワシントンのホワイトハウス(共同)

菅義偉首相(当時)は4月16日、米ワシントンでバイデン大統領と会談した=写真(共同)。両首脳は共同声明で中国の軍事的脅威に直面する台湾海峡の「平和と安定の重要性を強調」と明記。台湾言及は52年ぶりで、香港などの人権状況にも「深刻な懸念」を共有した。菅氏はバイデン氏が対面で会談した初の外国首脳となった。

〔9〕静岡・熱海で土石流 26人死亡

熱海で発生した土石流の現場=7月7日、静岡県熱海市(桐山弘太撮影)
熱海で発生した土石流の現場=7月7日、静岡県熱海市(桐山弘太撮影)

梅雨前線の停滞に伴い、6月30日から東、西日本の広い範囲で記録的大雨となった。数日間で平年1カ月分の雨量を超えた静岡県熱海市では7月3日、伊豆山(いずさん)地区で土石流が発生し、26人が死亡、1人が行方不明となった。起点の盛り土が被害を広げた疑いがあり遺族は刑事告訴。市議会も百条委員会を設けた。

〔10〕日大事件 前理事長ら逮捕

日本大学の前理事長、田中英寿被告が逮捕され、記者会見で謝罪する加藤直人理事長(左)と渡辺武一郎副学長=12月10日、日大本部
日本大学の前理事長、田中英寿被告が逮捕され、記者会見で謝罪する加藤直人理事長(左)と渡辺武一郎副学長=12月10日、日大本部

日本大学付属病院の設計・監理業務などをめぐり、東京地検特捜部は10月7日、背任容疑で日大元理事の井ノ口忠男、大阪市の医療法人前理事長の籔本雅巳両被告を逮捕した。11月29日には所得税法違反容疑で日大前理事長の田中英寿被告も逮捕。いずれも後に起訴され、日本最大級のマンモス私大の組織統治不全があらわになった。

【番外編】

◆東日本大震災10年 最後の追悼式

死者、行方不明者、関連死を合わせ約2万2000人に上る戦後最大の災害となった東日本大震災から10年となった3月11日、政府主催の追悼式が、東京都千代田区の国立劇場で天皇、皇后両陛下をお迎えして開かれた。両陛下の式のご臨席は皇太子同妃時代を含めて初めて。政府は来年以降、追悼式を主催しない考え。

◆原発処理水 海洋放出方針を決定

政府は4月13日、東京電力福島第1原子力発電所の敷地で増え続ける汚染水を浄化後の処理水を海洋放出する方針を決めた。トリチウムを含む処理水は風評被害も懸念されたが、国際原子力機関(IAEA)が安全性を評価。震災による事故から10年が過ぎ、事態打開の可能性が見えてきた。

◆憲法改正へ 改正国民投票法成立

駅での共通投票所の導入など、憲法改正の是非を問う国民投票の利便性を公職選挙法とそろえる改正国民投票法が6月11日、成立した。提出から約3年、改憲に消極的な野党の抵抗で進まなかったが、改憲原案を議論する環境が整った。

◆東証31年ぶりの高値、3万円台に

9月14日の東京株式市場で日経平均株価は前日比222円73銭高の3万0670円10銭と続伸し、終値で平成2年8月以来約31年ぶりの高値を付けた。コロナワクチン接種の進展で経済活動が本格再開するとの見方から投資家心理が改善。自民党総裁選の候補者が積極的な経済対策を発表し次期政権の期待が高まったことも相場を押し上げた。

◆横綱白鵬引退、新横綱に照ノ富士

大相撲史上最多の優勝45回を誇る横綱白鵬が9月末、右ひざの状態が回復しないことを理由に36歳で引退した。秋場所前には同じモンゴル出身の照ノ富士が横綱に昇進。けがに苦しみ大関陥落後、序二段から再起を図った末の復活劇で新時代の幕を開けた。

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