鎮魂2021 今年亡くなった方々に思いをはせて

新型コロナウイルス感染症との闘いが続いた令和3(2021)年が幕を閉じる。今年も、人々の記憶に残り続ける多くの著名人が鬼籍に入った。学術の世界で優れた業績を残した研究者、映画や舞台で人々に感動を与え続けたスター、スポーツ界で一時代を築いた競技者たち。それぞれの面影に思いをはせながら年末を迎える。合掌。

国内で亡くなった著名人

※年齢の次の数字は死去した月日。芸名などは本名略

脚本家の橋田壽賀子(すがこ)さん(95歳、4・4)は、「渡る世間は鬼ばかり」など人気ドラマを手掛けた。激動の時代を生き抜く女性を主人公にしたNHK連続テレビ小説「おしん」は高視聴率(62・9%)を記録。女性の立場から世間をとらえた数々のドラマで不動の人気を得た。

作曲家の小林亜星(あせい)さん(88歳、5・30)は、レナウンのCM曲「ワンサカ娘」が評判となり売れっ子に。「日立の樹(この木なんの木)」「どこまでも行こう」など多くのCMソングを作曲した。テレビドラマ「寺内貫太郎一家」の主人公、貫太郎役でも人気に。「北の宿から」で昭和51年、日本レコード大賞を受賞した。

平成26年にノーベル物理学賞を受賞した名城大特別栄誉教授の赤崎勇(いさむ)さん(92歳、4・1)は、青色発光ダイオード(LED)の技術基盤を世界で初めて確立。白熱灯や蛍光灯に代わる照明器具としても普及し、情報化や省エネ型社会の構築に貢献した。

22年にノーベル化学賞を受賞した米パデュー大特別教授の根岸英一さん(85歳、6・6)は、複雑な有機化合物を効率的に合成する手法を開発し有機合成化学の発展に貢献。20年にノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授の益川敏英(としひで)さん(81歳、7・23)は、物質を構成する最小単位の素粒子クォークが6種類存在することを理論的に予想。物質の根源や宇宙の成り立ちを解明する重要な理論を打ち立てた。

評論家の立花隆さん(80歳、4・30)は、首相の金脈問題を雑誌で追及して退陣に追い込んだ「田中角栄研究」をはじめ、科学や医療など幅広い分野のノンフィクション作品で知られた。左翼組織や農協などの社会問題から、臨死体験や宇宙などの自然科学まで多様な分野で活躍した。

作家・僧侶の瀬戸内寂聴(じゃくちょう)さん(99歳、11・9)は、女性の業(ごう)を描いた小説で知られた。娯楽色の強い作品を量産する一方で、昭和48年に岩手県の中尊寺で得度。法名「寂聴」として、法話を通じて人々に寄り添った。平成18年に文化勲章受章。本紙の正論メンバーだった。

 劇画家のさいとう・たかをさん(84)
劇画家のさいとう・たかをさん(84)

漫画家のさいとう・たかをさん(84歳、9・24)は、半世紀以上にわたり連載が続く長寿劇画「ゴルゴ13」などを手掛けた。スタッフとの分業制の漫画制作を確立。「ゴルゴ13」はスナイパーのデューク東郷を主人公としたハードな作風が人気を集め、「劇画」のジャンルを築いた。

2000(平成12)年に高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)を受賞した世界的建築家、リチャード・ロジャースさん(88歳、12・18)は、イタリアの建築家、レンゾ・ピアノ氏と組んでパリのポンピドーセンターを手がけた。大胆なデザインは世界に衝撃を与え、京都や奈良など日本の伝統建築にも造詣が深い日本通だった。

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