米ホワイトハウスは29日、バイデン大統領とロシアのプーチン大統領が30日午後(日本時間31日早朝)に電話会談すると発表した。ロシア軍が国境付近に部隊を集結させ、緊張が高まっているウクライナ情勢などについて協議する。両首脳の会談は7日にテレビ電話で行って以来で、緊張緩和の糸口を見いだせるかどうかが焦点。
米欧はロシアがウクライナに侵攻する可能性があると警戒。米政府高官は29日、ロシア軍の動きに「重大な懸念」を抱いていると述べ、侵攻した場合は対抗措置を取る準備ができていると強調した。
一方、ロシアは米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)がウクライナなどで軍事力を増強していると批判。NATOの東方不拡大を盛り込んだ米ロ間の条約締結交渉を求めている。
米政府高官によると、今回の電話会談はロシア側が要請した。来年1月に開かれる見通しの「NATOロシア理事会」なども議題となる。同月10日には高官級の米ロ対話も開かれる。
米国務省によると、ブリンケン国務長官は今月29日、ウクライナの独立、主権、領土保全への「揺るぎない支持」を同国のゼレンスキー大統領に伝達。英独仏の外相とも電話会談し、ロシアの行動に連携して対応する方針を確認した。
バイデン氏は7日の会談で、ロシアがウクライナに侵攻すれば強力な経済措置や同盟国への軍事支援強化で対抗すると警告。プーチン氏はウクライナを巡る緊張について「ロシアに責任を負わせるべきではない」と反発し、双方の主張は平行線をたどった。(共同)