中国、「ゴーストタウン」再び コロナ初公表から2年 出口見えぬ強権措置

【北京=三塚聖平】中国湖北省武漢市の当局が、後に新型コロナウイルス感染症とされた「原因不明のウイルス性肺炎」について初公表してから31日で2年。武漢で約2カ月半のロックダウン(都市封鎖)を行うなど強権的な手法で感染拡大に歯止めをかけてきたが、来年2月の北京冬季五輪を目前に控えて局地的な流行に直面。わずかな感染拡大も許さない習近平政権の「ゼロコロナ」の号令下で緊張が高まっている。

国家衛生健康委員会によると、症状のある新規感染者は25日に中国本土全体で206人確認された。海外からの入国者も含めたもので、200人を上回ったのは今年初めてだった。

陝西(せんせい)省西安市ではデルタ株の感染が急拡大し、9~29日に確認された症状のある感染者は同市内だけで計1千人を突破した。西安では23日から実質的なロックダウンが実施され、生活必需品の購入も自由に行うことができない移動制限をとった。

西安は世界文化遺産「兵馬俑(へいばよう」がある観光都市だが、中国メディアによると街中ではPCR検査に向かう人など一部を除き人影がない。香港紙の明報(電子版)は「人口1300万の都市がゴーストタウンのようになった」と伝え、中国のインターネット上には「去年の武漢のようだ」という投稿もあった。

米欧などで多数の感染者の確認が続く中、習政権は「ゼロコロナ」政策を成果と位置付ける。今年、中国本土ではコロナによる死者は2人だけといい、市民からも「コロナ対策で共産党はよくやっている」(北京の40代女性)といった評価の声が少なくない。

世界ではコロナと共存しながら社会・経済活動を進める「ウィズコロナ」も議論されるが、中国では「ゼロコロナ」の出口は見えない。