順大病院、さいたま市に「12年までに開院」 10年遅れ、前倒し論浮上も

順天堂大医学部付属病院の整備予定地。令和12年までに開院する計画が示された=さいたま市(深津響撮影)
順天堂大医学部付属病院の整備予定地。令和12年までに開院する計画が示された=さいたま市(深津響撮影)

着工が延期になっていたさいたま市での順天堂大医学部付属病院整備構想をめぐり、大学が埼玉県に対し、令和8年に着工、12年までに800床を備えた病院を開業するという新たな計画を示したことが30日、関係者への取材で分かった。今年ごろの開院を目指していた当初計画から約10年遅れることになる。県は年明けに医療関係者らの意見を聞き計画が妥当かを判断するが、整備の前倒しを求める声も相次ぎそうだ。

新病院は、さいたま市緑区と同市岩槻区にまたがる浦和美園地区の約7・7ヘクタールで整備が予定されており、県が約3ヘクタール、市が約4・7ヘクタールの用地を確保している。

関係者によると、新たな計画では、新病院は9階建てで救命救急センターや周産期母子医療センターなどの機能を有し、医師300人を確保するとしている。スポーツと医療の融合を図るため、元スポーツ庁長官の鈴木大地氏が機構長を務める順天堂大の「スポーツ健康医科学推進機構」との連携も模索する。

医師不足の解消を目指す埼玉県は、新病院の誘致に向けた公募を行い、平成27年に順天堂大を選定した。

この時点の計画では、30年までに着工し、その約3年後に開院することを目指していたが、土地整備などに想定以上の時間がかかった上、環境アセスメントが必要なことなども判明し、整備構想は実質的に宙に浮いていた。構想の再始動に向け、県は今年2月、新たなスケジュールを明記した計画を年内に示すよう大学側に求めていた。

新たな計画は、来年1月中旬に開催予定のさいたま市地域医療構想調整会議と直後の県医療審議会で医療関係者らによる検証を受け、審議の結果を踏まえて県は計画の妥当性を見極める。

当初計画に比べ開院が大幅に遅れることに、医療関係者らから懸念の声が上がることも予想される。県幹部の一人は「できるだけ早期の開院を期待する」と話した。(中村智隆)