5期目に入った宮城県の村井県政 問われる「対話力」

5選を確実にし、万歳する村井嘉浩氏(中央)=10月31日、仙台市宮城野区の選挙事務所(村山雅弥撮影)
5選を確実にし、万歳する村井嘉浩氏(中央)=10月31日、仙台市宮城野区の選挙事務所(村山雅弥撮影)

「4期16年の成果をしっかりと評価してもらった。5期目もしっかりやれよというエールをおくってもらった結果だと思う」

10月31日、任期満了に伴う宮城県知事選で5選を果たした村井嘉浩知事(61)は、投開票から一夜明けた11月1日の定例会見で、選挙結果をこう総括した。だが、賛否の分かれる問題をあえて公約に盛り込んだこともあり、前回選に比べ得票を約14万減らした。村井県政の政策をめぐる論争は来年以降も続き、5期目に入った知事の「対話力」が問われる。

リーダーシップ

過去4期16年間の任期中、東日本大震災からの復旧と復興、自動車産業の誘致を進めるなど、知事のリーダーシップは確かに高く評価されてきた。新型コロナウイルスの感染拡大防止でも、ワクチンの大規模接種会場を今年5月に設けるなど素早く対応した。

ときには、反対を押し切って進めた施策もある。例えば、東京五輪のサッカーの有観客試合。コロナ禍で多くの競技が無観客となる中、感染対策を徹底し成功に導いた。村井知事は「やってよかった」と胸を張る。競技場内外を取材したが、実際に多くの観客から「思い出に残った」といった感想が聞かれ、選手ら関係者にとっても、得難い経験だったに違いない。

分かれたままの賛否

平成29年の前回選と同様、衆院選との同日選となった今回の知事選の投票率は56・29%と3・00ポイント上昇したにもかかわらず、村井知事は前回選に比べて得票数を減らした。その要因は、リーダーシップとは裏腹にある強引さが目立ったからではないか。

村井知事は、県立がんセンター(名取市)と仙台赤十字病院(仙台市太白区)を統合して名取市に、県立精神医療センター(名取市)と東北労災病院(仙台市青葉区)は集約して富谷市に、今後再編することを選挙公約に掲げた。当然、病院が市外に移転する仙台市からは反発も出ている。