林芳正外相が今月、外交デビューを果たした。先進7カ国(G7)外相会合出席のため英中部リバプールを訪問。夕食会が開かれた「ビートルズ・ストーリー博物館」で周囲に勧められてピアノを弾き、各国外相から拍手を浴びた。就任間もない中、趣味の音楽で自らを印象付けた林氏に、外務省幹部からは「まさに『芸は身を助ける』だ」との声があがっている。こうした「一芸」は過去にも外交の場で潤滑油となってきた。
今回のG7外相会合は初めて東南アジア諸国連合(ASEAN)を交えた拡大会合を開き、軍事的圧力を強める中国を念頭に「『自由で開かれたインド太平洋』を維持することの共通の利益」を再確認する議長声明をまとめた。
林氏は会合で「ASEANは『自由で開かれたインド太平洋』実現の要だ」と述べ、G7とASEANの連携を呼びかけた。ブリンケン米国務長官ら各国外相との個別会談も行い、2国間関係の強化に努めたほか、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相とも短時間の立ち話をした。