ネットメディア、立場新聞の幹部らを一斉逮捕した香港当局は、大手紙の蘋果日報(アップルデイリー)に続く大規模なメディア弾圧に乗り出した形で、香港・中国政府への批判的な報道を徹底的に封じ込める構えだ。29日に一時拘束された立場新聞の取材副主任で、香港記者協会主席の陳朗昇氏(40)は産経新聞の取材に、香港メディアの危機的状況を訴えていた。
香港大に設置されていた1989年の天安門事件の犠牲者を追悼する彫像が23日に撤去された事件で、大学当局が作業に着手した22日深夜から23日早朝にかけ、現場からネット中継を敢行した記者がいる。立場新聞で最も有名な陳氏だ。
2019年の一連の反政府・反中デモでは前線にとどまって報道した。しかし20年6月に香港国家安全維持法(国安法)が施行されると、記者を取り巻く環境は激変した。