大阪で全国初のオミクロン株クラスター 市中感染は同一株か

大阪府は28日、府内の高齢者施設で新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染者が5人に上り、クラスター(感染者集団)が発生したと明らかにした。同株のクラスター発生は全国初とみられる。一方、大阪府内で26日までに市中感染が確認されたウイルスが共通の特徴を持っていることが、大阪健康安全基盤研究所(大安研)の分析で判明した。

空港検疫で確認されたウイルスには見られない特徴だったといい、大安研は府内のオミクロン株の拡大について「同一の株に由来すると思われる」との見解を示した。大安研の分析結果について吉村洋文知事は「市中感染が点でなく(点より大きい)面で起きている可能性がある」と話し、年末年始の感染拡大に警戒感を示した。

府によると、27日までにオミクロン株感染と発表された府内在住者19人のうち、市中感染事例は14人。海外渡航歴がなく感染経路も不明の陽性者や、その濃厚接触者だ。

大安研によると、14人のうち26日までに確認できた12人のウイルスの遺伝子情報を分析したところ、タンパク質などに共通の変異が生じていることが分かった。空港検疫で判明したウイルスでは確認されなかったという。

市中感染事例の14人は府内の複数の自治体で確認され、発症日も13~22日の間に集中。大安研の朝野(ともの)和典理事長は「大阪では複数の起点から拡散したわけではなく、今のところ1つの感染源と推測される。対策を徹底すれば消滅させることも可能と思われ、その効果を遺伝子解析によって追跡できる」と指摘した。

これとは別に、大阪府内でオミクロン株感染の疫学調査を支援してきた国立感染症研究所の専門チームは府への提言をまとめた。提言でオミクロン株の強い感染力を複数の事例で確認する一方、マスク着用や換気が徹底された状況では「爆発的な感染拡大に至っていない」と指摘。「今後の感染拡大は避けられない可能性が高いが、適切な感染対策の継続により、流行拡大の速度を抑制できる可能性はある」と結論付けた。