公明党の衆院議員だった遠山清彦元財務副大臣らが28日、貸金業法違反罪で在宅起訴されたことを受け、公明党は幹事長名でコメントを発表して陳謝した。来夏に控える参院選への影響を最小限に抑えたい考えがあるとみられる。
「今回のことは公明党の議員として、また公明党の議員秘書として決してあってはならないことであり、誠に遺憾だ。到底許されることではない」
公明の石井啓一幹事長は発表したコメントでこうした見解を示し、「国民、党員・支持者に誠に申し訳なく、心から深くおわびする」と陳謝した。
さらに「政治の信頼を揺るがしかねない問題を招いてしまった責任を深刻に受け止める」と責任にも触れ、「徹底した再発防止策を講じ、信頼回復に向けて取り組んでいく」とした。
遠山氏が緊急事態宣言下で東京・銀座のクラブを訪れた問題で議員辞職したのは2月1日で既に1年近くが経過している。ただ、遠山氏は公明党の次代のエースとされていただけに、党のイメージダウンは避けられないとみられる。
一方、公明と連立を組む自民党の重鎮の一人は、身柄の拘束を伴わない在宅起訴にとどまったことから、岸田文雄首相の政権運営などに「大きな影響はないだろう」との見方を示した。ただ、起訴された公明関係者が複数に上ったため、「公明は大変だろうが」と付け加えた。政府は静観の姿勢で、松野博一官房長官は28日の記者会見で、「検察当局の事件処理について、政府としてコメントは控えたい」と述べた。
一方、立憲民主党の西村智奈美幹事長は28日の記者会見で、事件をめぐり「国会が定めた制度に基づく融資に関して行われたことなので、全容解明は必要だ」と強調した。