引きこもり支援の条例案、埼玉県議会自民会派が提出へ

引きこもりの当事者と家族の支援環境整備に向けた条例案を、埼玉県議会最大会派の自民党議員団がまとめたことが28日、分かった。支援の機会に恵まれず孤立するケースが多いとして、県と民間支援団体によるサポート体制の強化を図る。県民への意見募集を行った上で来年の県議会2月定例会に提出することを予定しており、可決、成立の公算が大きい。

条例案では県の責務として「引きこもりの支援を総合的に実施し、市町村、民間支援団体などと相互に連携を図る」ことを求めた。支援団体に対する情報提供や、必要な財政上の措置も要請する。

また、基本理念として「支援は当事者と家族が孤立しないよう、必要に応じて社会との関わりを持てるよう行う」と明記し、同時に「支援は当事者の意思を尊重して行う」ことを掲げた。

自民党県連関係者は「引きこもりの支援環境を整備し、誰もが安心して暮らせる社会を実現したい」と話した。

国の推計によると、「引きこもり状態」にある人は15~39歳で約54万人、40~64歳で約61万人(いずれも平成30年12月時点)に上る。支援態勢が不十分なため、不安を抱えたまま孤立する人も多いという。

本人の意思を無視して強引に外へ出して高額な費用を請求する「引き出し屋」と呼ばれる悪質業者によるトラブルも問題となっており、議員団は支援体制強化が急務と判断した。(中村智隆)