NTTは自社グループの調達網に強制労働や児童労働といった人権侵害を行う企業が入り込まないよう、令和4年度から実地監査を始める方針を固めた。国内外の大口調達先を中心に年間40~50社程度を訪問し、人権順守の状況を直接確認する。対応に不備があれば、取引停止を含め厳しい姿勢で臨む。同社関係者が28日明らかにした。
中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で強制労働への懸念が高まり、欧米では、企業に取引先の労働環境を調べる「人権デューデリジェンス」を義務付ける法整備が進む。日本企業も人権保護の取り組みに消極的と見なされれば、国際的な事業展開に支障が出かねない状況だ。NTTは社会インフラを担う企業として率先して対応強化に乗り出す。
実地監査は富士通やNEC、住友電気工業、米国のアップルやアマゾン・コム、マイクロソフトなど約130社の大口調達先を中心に、数年で一巡するよう対象を入れ替えながら実施する方向だ。