金正恩氏の会議重視が鮮明に 党総会で11年目の方針討議

朝鮮労働党中央委員会総会に臨む金正恩党総書記(手前左)=27日(朝鮮中央通信=共同)
朝鮮労働党中央委員会総会に臨む金正恩党総書記(手前左)=27日(朝鮮中央通信=共同)

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮で27日、朝鮮労働党中央委員会総会が開幕し、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が司会を務めた。朝鮮中央通信が28日に報じた。中央委総会は党や国家の重要政策を討議する会議。金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去を受け、今月で発足10年を迎えた金正恩体制の10年目を総括するとともに、11年目に当たる来年の方針を決定する見通しだ。

今年は5年ぶりの党大会を1月に開いたほか、中央委総会も4回目となる。重要政策を〝密室〟で決めた父、金正日氏の統治手法を脱却し、会議で重要方針を論議する〝オープン〟な政治スタイルへの変化を印象付ける狙いもうかがえる。

年末に総会が行われた2019年には12月28日から4日間連続で会議が催された。今年も数日間にわたって討議を続けるとみられる。最終日までに対米関係を含む新たな外交路線を打ち出すのかも注目される。

朝鮮中央通信は、総会で今年の政策執行状況を総括し、「社会主義建設の新たな発展期を切り開く闘い」を導く方針と課題を討議、決定すると報じた。具体的な議題には触れなかった。

金正恩氏の会議重視の姿勢は数字でも裏付けられている。ラヂオプレス(RP)によると、27日までに伝えられた金正恩氏の今年の動静報道は78件にとどまったが、党や政府の会議を中心とする国内関係の活動が約8割を占めた。

新型コロナウイルス禍も影響したとみられ、ミサイル発射現場や軍部隊の視察はなく、生産現場など経済分野の視察も1回だけだった。動静報道は230回に上った13年をピークに減少傾向を見せ、新型コロナ禍が始まった昨年は54件まで激減。金正恩氏は会議での指導に専念し、祖父の金日成(キム・イルソン)主席の時代から重視されてきた現場視察を側近らに任せるケースが増えた。