北海道旭川市の三浦綾子記念文学館が、作品のデータベース化を進めている。三浦さんは代表作「氷点」で知られ、病に苦しみながらも数々の名作を残した。データベース化することで字を大きくしたり、横書きにしたりして、若年層にも読みやすく印刷できるようになった。寄贈などを通じてファン拡大を目指す。
2022年が生誕100年で、その記念事業の一環。同館は全作品の著作権を持つが、デジタルデータはなく、20年4月から始めた。22年春ごろからは、道内を中心に全国の希望する学校などに「氷点」や「泥流地帯」など全6作品を印字、製本して無償で贈る。全ての漢字にルビを振って子どもたちも読めるようにした。編集やカバーのデザインは同館職員が担う。
また、データベースを活用して、重版未定や絶版となった「果て遠き丘」など8作品を20年7月から順次刊行。今後さらに2作品を追加する予定だ。