厚生労働省は28日までに、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「アビガン」について、有効性や安全性の検証を目的とした「観察研究」での患者への投与を終了すると発表した。投与中または投与の準備をしている患者を除き、新たに薬を使用しないよう、研究に参加した病院に通知した。残った薬は回収するという。
研究の事務局がある藤田医科大(愛知県)によると、国内では研究を通じて1万5千人以上に投与された。同大は、来年夏ごろに最終報告書を公表するとしている。
アビガンを開発した富士フイルム富山化学(東京)は昨年10月、新型コロナの治療薬として承認審査を申請したが、厚労省の専門部会が同年12月、提出されたデータからは有効性の判断が困難として承認を見送っていた。