オークラ建て替えで「格落ち」に移動 久兵衛が敗訴

東京地裁が入る建物(今野顕撮影)
東京地裁が入る建物(今野顕撮影)

ホテルオークラ東京(東京都港区)の建て替えに伴い、店舗がメインエリアから外されたのは「格落ち」だとして、高級すし店「久兵衛」がオークラ側に1千万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であり、成田晋司裁判長は、久兵衛側の請求を退けた。

判決によると、久兵衛はオークラ旧本館で50年以上、オークラ直営の高級和食店「山里」に隣接するメインエリアで営業してきたが、旧本館の建て替えに際し、山里とは離れた別棟の「アーケード」の一角を出店場所として指定された。

久兵衛側は「格落ちした場所で高級店にそぐわない」と反発。「オークラは、事業に配慮した店舗の場所や店側の意見の反映を検討する協議義務がある」などとして、平成30年に提訴していた。

判決理由で成田裁判長は「オークラ側には、久兵衛側が主張するような協議義務はなかった」とした上で、仮に協議があったとしても「店舗の位置が久兵衛側の希望通りになっていたかは判然としない」と結論づけた。

判決を受けてオークラ側は「(久兵衛は)現段階ですでにアーケードに入居しており、関係性について変更はない」とコメント。久兵衛側は「担当者が不在のためコメントできない」としている。

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