松野氏「一刻の猶予もない」 相次ぐ拉致家族死去で

北朝鮮に拉致された妹、田口八重子さんの写真を手に、被害者救出を訴える飯塚繁雄さん=平成28年2月14日、秋田県大仙市(渡辺浩撮影)
北朝鮮に拉致された妹、田口八重子さんの写真を手に、被害者救出を訴える飯塚繁雄さん=平成28年2月14日、秋田県大仙市(渡辺浩撮影)

松野博一官房長官は27日の記者会見で、北朝鮮による拉致被害者の田口八重子さん(66)=拉致当時(22)=の兄で家族会前代表の飯塚繁雄さんが死去するなど、高齢化した家族と被害者の再会までの猶予が限られている現状について「度重なるご家族の訃報に接し、一刻の猶予もないと切迫感をひしひしと感じている」と述べた。

会見で松野氏は有本恵子さん(61)=同(23)=の父、明弘さん(93)と横田めぐみさん(57)=同(13)=の母、早紀江さん(85)を念頭に「被害者の親御さんの世代がご高齢の2人だけになってしまった」と語った。

その上で「政権の最重要課題である拉致問題の解決に向けては、何よりもまず、わが国自身が主体的に取り組むことが重要だ」と強調し、岸田文雄首相と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の早期のトップ会談実現へ全力を尽くす考えを示した。

拉致問題は、未帰国被害者の曽我ミヨシさん=同(46)=が28日に90歳を迎えるなど、被害者と家族がともに高齢化し、厳しい状況に直面している。