弾圧強めるミャンマー国軍 4000人がタイ脱出

衝突の激化を受けミャンマーからタイに避難してきた住民ら(タイ軍提供、共同)
衝突の激化を受けミャンマーからタイに避難してきた住民ら(タイ軍提供、共同)

ミャンマーの実権を握った国軍が民主派への弾圧を強めている。無関係の住民が殺害される事案も相次いで起き、一部住民は隣国タイに脱出した。国軍は対決姿勢を強める民主派の排除を進める構えだが、強引な政権奪取への国内の反発は強い。混乱は簡単には収束しそうにない状況だ。

地元メディアによると、国軍は24日、東部カヤ州で、車で移動中だった女性や子供を含む一般住民30人以上を殺害した。遺体は車ごと焼かれたという。カヤ州では国軍と地元民主派との間で戦闘が続いており、民主派関係者と誤認された可能性もあるという。

国軍は国営メディアを通じ、カヤ州で「武器を持ったテロリスト」を射殺したと発表した。殺害された人は車の停止を求める命令に従わなかったとしているが、詳細は不明だ。

国軍は7日にも北部ザガイン地域で住民10人以上を殺害。英BBC放送によると、7月にも同地域で少なくとも40人を拷問した末に殺害した。

国内では、民主派がつくる挙国一致政府(NUG)が5月、国軍に対抗する「国民防衛隊」を結成。これに呼応して、各地で防衛隊を名乗る組織が立ち上がった。NUGは9月に「武装抵抗開始」を宣言しており、国軍も対抗して弾圧を進めている形だ。

一方、国軍と長年にわたって対立していた少数民族武装勢力も国軍への攻勢を強化。NUGと連携し、都市部の市民を受け入れて軍事訓練も実施している。

東部カイン州では国軍と少数民族武装勢力「カレン民族同盟」の衝突が継続中だ。国軍は武装勢力の支配域に空爆を行っており、対立が収束する気配はない。同州では戦闘を避けようと、今月だけで住民4千人以上が国境を越えてタイに避難した。

27日は勾留中のアウンサンスーチー氏に対して、2つの罪で判決が言い渡される予定だったが、来月に延期された。理由は明らかになっていない。国軍は勾留を長期化させてスーチー氏の政治的影響力をそぐ考えだが、民主派が反発を強めそうだ。(シンガポール支局 森浩)