2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して12月で20年。中国の自由化につながると期待した米国では今、加盟を後押しした当時の判断が誤りだったと悔悟する論調があふれている。中国の改革が停滞する一方、貿易を通じて国力を増し、米国に挑戦するようになったためだ。中国の不公正貿易へ打開策を見いだせないWTOに対する懐疑論も根強く、有志国でWTOに代わる組織設立を求める案も出ている。
「WTOの枠外で同盟国と協力する方法を探る必要がある。それが現実的な唯一の道だ」
トランプ前米政権高官のクレート・ウィレムス氏は12月14日、中国のWTO加盟20年を振り返る米シンクタンクの討論会で、そう話した。WTOの制度の下で中国に貿易ルールを順守させることは「楽観できない」と強調。中国を除外した同盟・友好国の枠組みを立ち上げ、対中包囲網を敷く意義を訴えた。