リトアニアの訪台議員に聞く 「中露が小国揺さぶる手段は同じ」

リトアニア国会で産経新聞と会見するマルデイキス議員(三井美奈撮影)
リトアニア国会で産経新聞と会見するマルデイキス議員(三井美奈撮影)

旧ソ連バルト3国議員団の一員として、今月初めまで台湾を訪問したリトアニアのマタス・マルデイキス国会議員が産経新聞のインタビューに応じた。「台湾を威嚇(いかく)する中国の手法は、欧州の小国を揺さぶるロシアと同じ。台湾の民主主義が崩壊すれば、ドミノ現象で欧州にも波及する」と述べ、台湾支援の重要性を訴えた。

リトアニアは11月、台湾当局の大使館に相当する「台湾代表処」の設置を欧州連合(EU)で初めて受け入れた。マルデイキス氏はリトアニアの第一与党、祖国同盟に所属し、国会の「台湾関係委員会」の委員長として、エストニア、ラトビアの国会議員に呼びかけ、バルト3国議員の訪台団を組織した。

マルデイキス氏は、約1週間の訪台期間に、蔡英文総統ら要人と会談したことを振り返り、「台湾は中国のサイバー攻撃や情報戦、軍事威嚇に直面している。われわれがロシアの脅威にさらされている状況と、極めて似ていることに驚いた」と話した。「中露の動きは連動している。台湾支援は、欧州の安全保障に直結する」とも述べ、米欧や日本など民主主義圏の結束の重要性を訴えた。

リトアニアは2017年、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」で覚書を締結。中国と中東欧17カ国の協力枠組み「17+1」に加わったが、今年5月に脱退を表明し、対中政策を一変させた。マルデイキス氏は、リトアニアが「一つの中国」政策を維持する方針に変わりはないとしたうえで、「政府は『17+1は、EU分断の手段にされている』と判断し、脱退を決めた」と明かした。新疆(しんきょう)ウイグル自治区や香港での人権問題で、対中不信が広がったことも原因だと述べた。

トアニアは1990年、当時のソ連圏で最初に独立回復を宣言。マルデイキス氏は、当初アイスランドだけが独立を承認したと歴史を振り返り、「小国の支援が、大きな変動をもたらすこともある。(リトアニア)国民の台湾支援は、独立と民主化の経験に由来する」と述べた。

中国は、リトアニアとの外交関係を格下げした。リトアニアは今月、中国が輸出通関を差し止めたと主張している。リトアニアの輸出額に占める中国の割合は約1%で、現状では経済的打撃は広がっていないという。(ビリニュス 三井美奈、写真も)