東京都は24日、海外渡航歴のない50代の男性医師が新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」に感染したと発表した。感染経路は不明で、都内で初めての「市中感染」にあたるとしている。男性医師は当初発熱していたが、現在は無症状。家族2人と勤務先のクリニックの職員3人が濃厚接触者にあたるが、いずれも無症状で検査結果は陰性という。
都は同日、男性医師とは別に新たに10~50代の男性3人のオミクロン株感染も確認したと明らかにした。3人はいずれも海外からの帰国者で都内の医療機関に入院し、現在は無症状となっている。
都によると、男性医師は今月16日に発熱し、翌17日に抗原検査で陽性が判明したため入院。その後のPCR検査でも陽性となり、ゲノム解析を行ったところ同24日にオミクロン株への感染が確認された。ワクチンは今年3月と4月に2回接種していた。
男性医師は勤務先で12月16日まで患者を診ていたが、診察中はフェースガードとマスクを着用しており、都は「接触時間も考慮すると、受診者は濃厚接触者には該当しない」としている。ただ、感染力が強いとされるオミクロン株の特徴を踏まえ、濃厚接触者以外のクリニックの職員約20人と受診者約80人にPCR検査などを受けるよう要請している。
一方、都は希望する都民を対象に25日から民間検査機関やドラッグストアなどで新型コロナの無料検査を実施する。今週末は12カ所、27日以降は180カ所で検査が可能な体制を整備する。小池百合子知事は24日の記者会見で、「検査体制を強化し、早期の診療、そして隔離につなげることが重要だ」と述べた。
都は現時点では飲食店などでの人数制限や時間制限について新たな対応はせず、小池氏は「基本を守ることを徹底してもらいたい」と述べ、3密の回避やマスクの着用などを重ねて呼び掛けた。