令和4年度予算案の焦点⑤

交付金で盛り土対策支援 新幹線整備は804億円

大規模な土石流が起きた現場。降り続いた雨と不適切な工法による盛り土が重なって大惨事となった=7月20日午後、静岡県熱海市伊豆山 (本社ヘリから、沢野貴信撮影)
大規模な土石流が起きた現場。降り続いた雨と不適切な工法による盛り土が重なって大惨事となった=7月20日午後、静岡県熱海市伊豆山 (本社ヘリから、沢野貴信撮影)

国土交通省は令和4年度予算案で、公共事業では激甚化・頻発化する自然災害への対策費に予算を手厚く配分した。自治体などの取り組みを支援するための「防災・安全交付金」に8156億円を計上し、静岡県熱海市で7月に発生した土砂災害を受けた全国の危険な盛り土対策などを推進する。また、北海道、北陸、九州・長崎ルート3区間の整備新幹線建設に804億円を充てる。

盛り土をめぐっては、政府が全国約4万カ所を点検したところ、災害を防止する措置が確認できなかったのは657カ所に上ることが暫定結果で判明。安全性を確認する詳細な調査や盛り土の撤去、擁壁設置などの対策費を計上した。

南海トラフや首都直下といった地震への対策には1732億円を計上。堤防強化や基幹的な交通ネットワークの維持に加え、帰宅困難者を受け入れるための施設整備支援などを進める。

一方、橋梁(きょうりょう)や護岸など老朽化したインフラの持続可能なメンテナンス費用として7204億円を盛り込んだ。インフラの長寿命化に向けては、機能に支障が生じる前に対応することが望まれるといい、新技術を採り入れたメンテナンスなどで点検の高度化・効率化を図る。

整備新幹線の建設費は、自治体負担を含む事業費ベースで2400億円を計上した。建設中の3区間のうち北陸・金沢―敦賀(福井県)と、九州・長崎ルートの武雄温泉(佐賀県)―長崎の工事はピークが過ぎ、今年度当初比2460億円減となった。国費は3年連続で804億円を投入する。