看板倒れに終わらせない達成確認必要に デジタル重点計画

デジタル庁が入居する民間ビル=東京都千代田区
デジタル庁が入居する民間ビル=東京都千代田区

9月に発足したデジタル庁が政府や社会全体のデジタル化に向けた方向性を初めて示した「重点計画」は、130ページ以上に上る長大なものとなった。あらゆる施策を盛り込んだために議論も長引き、発足から約4カ月かけてまとまったことに対して「アジャイル(迅速で柔軟に)というデジタル庁の看板の割に遅い」(経済官庁関係者)といった声も聞かれる。ただ、最も重要なのは計画倒れに終わらせないことで、今後は達成状況を確認し続けることがカギとなる。

「現時点で盛り込めるものは盛り込んだ」。デジタル庁の担当者は重点計画の内容についてこう胸を張った。計画は行政サービス、暮らし、産業のデジタル化といったあらゆる政府のデジタル関連施策について達成時期を盛り込んだため、〝重点〟計画という割には非常に詳細な内容になった。そのため、策定に向けた議論に携わったデジタル庁幹部からも「読んでもらうための工夫が重要だ」という声が出たという。

一方、日本のデジタル政策を海外に発信することも重点計画の目的だが、英語版の同時公表はできなかった。これについて有識者からは不十分だという指摘が出たという。デジタル庁担当者は英語版の準備を進めているとしており、他国のデジタル当局との連携のためにも速やかな英語版公表が必要だ。

重点計画の議論に携わったIT企業幹部は「達成状況を分かるようにすべきだとしつこく指摘してきた」と述べ、計画で示した工程表の達成度を確認していく方針を示した。これまでの政府のIT政策のように看板倒れに終わらせないためには、デジタル化の流れを止めない機運の醸成もデジタル庁には求められる。

(大坪玲央)