岸田文雄首相は24日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の市中感染が東京都で確認されたことについて「オミクロン株の早期探知の徹底、濃厚接触者の宿泊施設での待機要請を柱とする封じ込め対策を実行していく」と述べた。東京に加え、市中感染が確認された大阪、京都、沖縄の4都府県については「全域で感染への不安のある方は誰でも無料で検査を受けられるようにする」とも語った。首相官邸で記者団に答えた。
首相は、年末年始の「帰省や旅行についてはオミクロン株の動向を踏まえ、慎重に検討していただくようお願いする」と呼びかけた。自身が年末に予定していた地元の広島県への帰省は取りやめると語った。
米製薬大手メルクが開発した飲み薬「モルヌピラビル」に関しては、厚生労働省が承認後、ただちに20万人分を配送し、来週から使えるようにすると説明した。
山際大志郎経済再生担当相は同日の記者会見で、「感染が面的に広がってくれば、政府としては行動制限の強化も含めて機動的に対応していく必要がある」と述べ、新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置などの発令による行動制限に踏み込む可能性に言及した。