24日に行われたフィギュアスケートの北京冬季五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権男子ショートプログラム(SP)で、宇野昌磨(トヨタ自動車)が2位につけた。
「よっしゃー」
演技を終えた宇野は叫んだ。右手の拳を振り下ろし喜びを表現した。101・88点の高得点に「もっと悪い演技をしてしまう可能性はあった。今のいい演技は出せたんじゃないかな」と納得の表情を浮かべた。
不安があった。18日の練習で右足首を捻挫した。ジャンプの練習を本格的に再開したのは22日。「痛くないのに、痛い想定の降り方をしてしまう」とバランスが崩れ、この日の朝の練習では、4回転ジャンプで転倒が続いていた。
悪いイメージを払拭したのは、演技直前の6分間練習だった。4回転フリップをきれいに着氷し「(そこで)自分のジャンプが出せれば、きっといけると思った」と自信をつかんだ。
冒頭の4回転フリップ、続く4回転-2回転の連続トーループを決めた。やや軸が傾いたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も成功。「試合での自分はほめてあげたい」と、自身に及第点を与えた。
調整に苦しんでも大崩れしなかった。フリーでは4種類計5本の4回転ジャンプを組み込む。「自分のベストの状態をお見せできるように頑張りたい」。全力をぶつける。(久保まりな)