オミクロン株 入院リスク「低い」報告相次ぐ 警戒は緩められず

22日、ロンドンで、繁華街にある新型コロナウイルスの民間検査所を訪れる人々(ロイター)
22日、ロンドンで、繁華街にある新型コロナウイルスの民間検査所を訪れる人々(ロイター)

【ニューヨーク=平田雄介】世界100カ国以上で感染が確認され、日本でも広がりつつある新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」について、感染者が入院するリスクが従来株よりも低いとの報告が22日、相次いだ。ただ、オミクロン株の感染力は極めて強いとされるだけに警戒は解けない。

オミクロン株がもたらす健康上のリスクについては、英国と南アフリカの3つの研究チームがそれぞれ「感染者が入院に至るリスクはデルタ株よりもはるかに低い」とする研究結果を公表し、欧米メディアが22日に伝えた。3チームは、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)、英エディンバラ大、南アフリカ国立伝染病研究所(NICD)。

ICLは首都ロンドンを含むイングランドのオミクロン株感染者5万6000人をデルタ株感染者26万9000人と比較した。オミクロン株感染者は病院にかかるリスクが20~25%低く、一晩以上の入院が必要となるリスクは40~45%低かった。

エディンバラ大は英北部スコットランドの540万人分のデータを調査した。オミクロン株感染者の入院リスクはデルタ株と比べて3分の2低かった。

オミクロン株を世界で最初に報告した南アフリカのデータに基づくNICDの調査では、オミクロン株感染者の入院リスクはデルタ株を含む他の変異株に比べて70~80%低かった。

ただ、エディンバラ大の調査対象となったオミクロン株感染者は大半が20~59歳で、重症化リスクが高齢者と比べると低い年代の患者だった。南アフリカは人口の年齢の中央値が約27歳となっている。世界保健機関(WHO)はオミクロン株のリスクについて「結論に達するには時期尚早だ」としている。

米政府のファウチ首席医療顧問は22日の会見で、NICDやエディンバラ大の研究について「デルタ株と比べて重症化するリスクが低くなっているようだ」との見解を示す一方で、オミクロン株は「感染力が極めて強い」と強調した。感染者が大きく増加すれば重症化する人も増え、医療機関の負担は増す。そのため、重症化のリスクが低いとしても、警戒を緩めずに対策を続ける必要があると注意を喚起した。