米当局 新型コロナ飲み薬を許可 重症化リスク9割減 ファイザー製

米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症用の治療薬「パクスロビド」(同社提供)
米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症用の治療薬「パクスロビド」(同社提供)

【ニューヨーク=平田雄介】米食品医薬品局(FDA)は22日、米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「パクスロビド」の緊急使用を許可した。重症化リスクの高い患者の入院率や死亡率を9割近く減らし、新たな変異株オミクロン株にも有効とされる。

自宅で飲むタイプの抗ウイルス薬の使用が米国で許可されるのは初めて。12歳以上の軽度または中程度の症状を示し、糖尿病や心臓病、肥満などで重症化リスクの高い患者の症状悪化を防ぐことができるとされる。子供の場合は体重が40キロ以上あることも服用を許可する条件となる。

長距離旅行や家族の集まりが増えるクリスマスを前に新規感染者が増加している中での承認となったため医療現場の負担軽減が期待され、AP通信は「待望の出来事だ」と速報した。

FDAは感染の発覚後、できるだけ早く服用を始めるべきとした。

臨床試験では、発症から5日以内に飲み始めれば重症化を88%抑えられるとの結果が出ている。

パクスロビドは、細胞に侵入したウイルスが増殖するのを阻害する新薬「ニルマトレルビル」2錠と、その効果を長持ちさせる既存薬「リトナビル」1錠で構成。計3錠を1日2回、5日間服用する計30錠の治療コースが認められた。

味覚障害や下痢などの副作用はあるが、服用の利益が上回るとしている。

ファイザーは同日、米政府との契約に基づき、国内向けに治療コース1千万回分の出荷を即時に始める用意があると発表。また、2022年の製造見通しを8千万回分から1億2千万回分に引き上げた。日本政府とも200万回分を供給することで合意している。

FDAは、米製薬大手メルクが開発し、日本でも特例承認の可否が検討される飲み薬「モルヌピラビル」も審査中。FDAへの緊急使用許可の申請はパクスロビドより早かったが、まだ承認されていない。11月末の第三者委員会で一部の参加者からデータ不足や有効性の低さを指摘された。

メルクによると、モルヌピラビルは入院と死亡のリスクを30%減らす効果があるという。