オミクロン 欧州で拡大 各国が規制強化

英ロンドンで、マスクを着用して歩く市民=16日(ゲッティ=共同)
英ロンドンで、マスクを着用して歩く市民=16日(ゲッティ=共同)

【パリ=三井美奈】欧州で、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が猛威を振るっている。英国に続き、欧州連合(EU)域内でもコロナ感染者が急増。EU加盟各国はクリスマスを前に、ワクチンの追加接種を急ぐと同時に行動規制を強化している。

フランスのベラン保健相は22日に民放テレビで、パリ内外では「感染者の30~35%がオミクロン株に感染したとみられる」と発言した。年末までに国内感染の大半がオミクロン株になるとの見通しも示した。22日の発表で、仏国内の1日当たりコロナ感染者は8万4千人超。ベラン氏は「月末には1日10万人に達する恐れがある」と述べ、オミクロン株の感染力の強さに警鐘を鳴らした。

政府はワクチンの追加接種を急ぐ方針。来年1月には、2度目の接種から「5カ月後」としていた接種時期を「4カ月後」に前倒しする。パリのシャンゼリゼ通りで例年大みそかに行われる花火イベントは中止が決まった。

ドイツでは22日、ラウターバッハ保健相が今後3週間以内にオミクロン株が感染の大半を占めるようになるとの見方を示し、「オミクロンとの戦いでは、ワクチンの追加接種が最も大切」と述べた。ドイツ政府は今月28日以降、個人の集会を10人までに制限し、スポーツ試合は無観客とする方針を発表している。

欧州のオミクロン株感染では英国が最多だが、EUの欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、EUでもデンマークやフランス、ドイツ、オランダなど全域に広がっている。

オランダは19日、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切り、来年1月半ばまで飲食店や美術館、生活必需品以外の商店は閉鎖される。ポルトガルは21日、ナイトクラブやバーを閉鎖する計画を発表した。ポルトガルのワクチン接種率は82%に達するが、今月半ば以降、感染者が急増している。

ベルギーではデクロー首相が22日、「コロナ感染者のうち、オミクロン株が30%近くを占めるようになった」と明かし、26日以降、映画館や劇場を閉鎖する方針を示した。

EU欧州委員会は21日、ワクチン接種を示すデジタル証明について、来年2月以降の有効期限を接種終了から9カ月に限定する方針を示した。追加接種を進める狙いがある。デジタル証明はEU域内共通で、国境を越える移動に際して使われている。