コロナ禍京都この1年

祇園祭、2年ぶりの山鉾建て

四条通を徒歩で巡行する山鉾保存会の関係者ら=7月17日、京都市下京区
四条通を徒歩で巡行する山鉾保存会の関係者ら=7月17日、京都市下京区

新型コロナウイルス禍2年目の今年も神事や行事の多くが縮小・中止となったが、八坂神社(京都市東山区)の疫病退散の祭礼「祇園祭」では、山鉾(やまほこ)を組み立てる山鉾建てが2年ぶりに一部実施されるなど、コロナ後を見据えた動きもみられた。

前(さき)祭の山鉾建てが始まった7月10日午前、四条通では「コンコン…」と槌音(つちおと)があちこちから聞こえてきた。この日は月鉾や長刀(なぎなた)鉾、函谷(かんこ)鉾などが鉾建てを開始し、作業にあたる作事方(さくじかた)が慣れた手つきで木材を縄でくくりつけていた。

2年ぶりの山鉾建て。雨上がりの水たまりに映りこんだ=7月10日、京都市
2年ぶりの山鉾建て。雨上がりの水たまりに映りこんだ=7月10日、京都市

鉾を形作る木材や装飾品は、昨年の山鉾建て中止により2年近く倉庫に保管され、傷みが心配された。山鉾建ての技術が失われることも懸念され、祇園祭山鉾連合会は6月、感染症対策実施を条件に山鉾建ての実施を決定。期間中、2年ぶりに四条通周辺で全34基中17基が建ち並んだ。

「縄の結び方ひとつにしても、毎年やらないと意外と忘れていたりする。技術や段取りの確認ができたことは非常に大きい」。ある鉾の保存会のメンバーはこう手応えを話した。

ただ、周囲に観光客らが密集することを懸念し、建てることを見送った山鉾も少なくなかった。人々が集まることが前提にある祭りで密集を避けるのは難しいが、苦心の取り組みが来年に生きることを期待したい。(秋山紀浩)