命令見送り経緯が焦点か 熱海盛り土対応の第三者検証委

ウェブ会議方式で開かれた、熱海市の盛り土に関する行政の対応を検証する第三者委員会の初会合=22日、県庁(田中万紀撮影)
ウェブ会議方式で開かれた、熱海市の盛り土に関する行政の対応を検証する第三者委員会の初会合=22日、県庁(田中万紀撮影)

初会合が22日開かれた、静岡県熱海市伊豆山地区の土石流災害で崩落した盛り土に関する行政対応を検証する第三者委員会。弁護士2人、大学教授2人の委員が県や市の担当者とオンラインで意見交換を行った。未曽有の大災害の発生から間もなく半年。起点部分に違法な盛り土を行った事業者に対する、県や市の過去の対応が適切だったかどうか検証する作業が本格化した。

非公開の会合では、検証の資料として、県と市が10月に公開した公文書の概要版が提示された。その中には、約10年前に工事停止を命じる措置命令の発出が検討されたものの、見送られたことを示す文書も含まれていた。難波喬司副知事によれば、委員からは「一連の措置命令見送りの経緯は今後の検証のポイントの一つだ」との指摘があったという。

盛り土に関する行政手続きに関しては、川勝平太知事が「事実を包み隠さず情報を公開する」方針を打ち出したことから、県は難波氏をトップとする原因究明チームが多角的に調査中で、10月には約4300ページに及ぶ膨大な関係文書を公開。熱海市も、事業者や県とのやり取りなどを記録した約130点の文書を開示した。

県と市はそれぞれ、当時の行政手続きにかかわった職員やOBへの聞き取り調査を実施中で、現時点で県と市を合わせて30人以上が対象になっている。また熱海市議会は「百条委員会」を設置するなど、再発防止に向けて行政責任の有無を確認する動きが進む。

今回は第三者による検証が始まったことで、より客観的な分析が期待される。

これまでに26人が死亡、1人が行方不明になっている土石流の起点には、届け出の倍にあたる約7万立方メートル以上が違法に盛られていたと推定され、被害を甚大化させたとみられている。