米大学教授に有罪 中国「千人計画」参加報告せず

【ニューヨーク=平田雄介】米東部マサチューセッツ州ボストン市の連邦陪審は21日、中国政府の人材獲得政策「千人計画」への参加や受け取った収入について米政府側に申告しなかったとして、虚偽報告の罪で訴追されていた名門ハーバード大の教授チャールズ・リーバ被告(62)に有罪評決を出した。

被告はノーベル化学賞の候補に名を連ねるナノテクノロジー研究の第一人者。米政府の助成金などで得られた国家安全保障上の機微に触れる研究成果が、千人計画を通じて中国に伝わったとの懸念を背景に捜査が進み、2020年1月に逮捕された。

米メディアによると、被告は中国側から得た金銭的収入の申告や中国での銀行口座について報告を怠ったほか、千人計画に参加していることを、米国内で研究助成を受ける国立衛生研究所(NIH)や国防総省に伝えていなかった。

被告は08年以降、NIHと国防総省から計1800万ドル(約20億5千万円)の研究助成を受けていた。

被告は千人計画に参加した動機を、金銭よりも名誉が目的だったと説明。自ら開拓したナノテク技術を中国の若い研究者に伝え、後進を育成することで自らの評価が高まり、ノーベル賞に近づくと考えたという。

中国側と12年に結んだ3年契約は、毎月5万ドル(約570万円)の報酬に加え、15万ドルの生活費と150万ドルの研究費を受け取る内容だった。多額の資金提供について、被告は「中国が人を誘惑する手段だ」と認識していたことを明らかにした。

米国ではトランプ前政権が18年、「中国イニシアチブ」と称し、中国からの安保上の脅威に対抗する取り組みを始めた。米司法省は千人計画に参加するなどした学者数十人を摘発したが、約半数が不起訴となり、初めて審理に進んだ別の研究者も無罪となっていた。リーバ被告に有罪評決が出たことで、今後の手続きに弾みがつくとの見方もある。

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