家族の会「しっかり再審議を」 認知症薬承認見送り

アルツハイマー病新薬「アデュカヌマブ」(バイオジェン提供、AP=共同)
アルツハイマー病新薬「アデュカヌマブ」(バイオジェン提供、AP=共同)

厚生労働省の専門部会は22日、日本の製薬大手エーザイと米バイオ医薬品大手バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病新薬「アデュカヌマブ」について、現時点のデータからは有効性を明確に判断するのが困難として、製造販売の承認を見送った。今後、追加データが提出されれば有効性や安全性を再検討し、その結果に応じて「再度審議する必要がある」とした。

公益社団法人「認知症の人と家族の会」の鈴木森夫代表理事は「『だめだ』という結論ではなかったのでよかった。今後、承認されるためにはさまざまな条件があるだろうが、しっかり再審議してもらいたい。薬が承認されれば、治らない病気ではないということになり、一つの希望の光、突破口になる」と訴えた。

一方で、アデュカヌマブが高額であることを踏まえ、承認される際には「一般の人でも負担可能であるよう、保険適用されることを願っている」と指摘。また、新薬の適用対象かどうかを調べるため、脳内に蓄積されたタンパク質「アミロイドベータ」を調べる「アミロイドPET検査」も高額で、検査を受けられる病院が限られていることから、鈴木氏は「どこに住んでいても検査や治療が受けられるようにしてほしい」とも要望した。

アデュカヌマブは承認されたとしても、傷ついた神経細胞や萎縮した脳を元に戻す効果はなく、進行したアルツハイマー病の人は対象外となる。鈴木氏は「さまざまな症状や生活上の困難を抱えている人も多く、そうした人たちが今の状態を維持できる治療法の開発にも力を入れてほしい」と期待。また、「認知症になっても安心して暮らせる社会であることも重要だ」と訴えた。

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